研究課題/領域番号 |
22K14277
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21040:制御およびシステム工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
角田 祐輔 大阪大学, 大学院工学研究科, 特任助教(常勤) (80943547)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 群ロボットシステム / シープドッグシステム / スワームシステム / ヘテロ群 / Shepherding / 無脳化 / マルチエージェントシステム / ナビゲーション / 牧羊犬のヒツジ追い / 機動制御 / 群ロボット / Shepherding problem / ロボットナビゲーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,直接設計可能な少数のコントローラエージェントにより,「群れない」多数のエージェント群を間接的に誘導するシステムの構築を行う.申請者はBrainless アプローチに基づいて,衝突に呼応して反射的に逃避するヒツジのモデルを設計し,それを誘導可能な複数牧羊犬の協調的機動制御の設計を行う.そして,設計した誘導システムのシミュレーション解析および実機検証を行うことで提案システムの妥当性を検証する.その結果に基づいて,誘導に必要な牧羊犬の総数や速度上限(機動性)と,ヒツジ群の総数・速度との関係を考察する.最後に,理論・実機の両面から協調的機動制御理論の体系化を行うことで本研究をまとめる.
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研究実績の概要 |
2023年度は,無脳化アプローチに基づく「群れないヒツジ群」のロボット群による誘導を実現するために,ヒツジロボットと牧洋犬ロボットの相互作用を物理的接触としたミニマルモデルに基づくシープドッグシステムの設計に取り組んだ.各ヒツジロボットのモデルは,他ヒツジロボットとの相互作用を一切排し,運動方程式に基づいて移動する円板体としてモデル化した.そして牧羊犬ロボットは,ヒツジロボットの群れ後方の端から衝突しつつゴールへ誘導する新たなコントローラを提案した.数値シミュレーションによりナビゲーションを行うことで提案システムが有効であることを確認した.今後の研究では,提案したモデルの現実世界での実現可能性を検証するために,物理的相互作用に基づくシープドッグシステムの実機実現を進める予定 である. 次に,より複雑な環境でのシープドッグシステムを実現するために,障害物環境における誘導実験を行った.本研究では,拡散性の高さと,壁を回り込んで伝搬する回折性を有する音波を採用した.音を用いて,ヒツジロボットと牧羊犬ロボットが環境に誘導に適切な音場を創成した.壁によりゴールが遮られている障害物環境において,ヒツジロボット1台を牧羊犬ロボット1台の誘導実験を行い,提案システムの妥当性を検証した.その他にも,巡回セールスマン問題に基づいて最適な牧羊犬の制御器のパラメータ設計を行う研究や,バックステッピング制御法に基づく牧羊犬の制御器設計により,従来提案してきた機動制御則の妥当性を裏付けた研究成果など,研究計画以上の研究成果が得られている.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
無脳化アプローチに基づくシープドッグシステムの設計および開発という目的に対して,ヒツジ同士の相互作用を排し,物理的接触のみでシープドッグシステムを設計することができた.これにより,ヒツジロボットの機能はミニマルになり,よりシンプルな牧羊犬ロボットの制御系設計が可能になる.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では,物理的接触モデルに基づいて実際のロボット群の実機検証を行う.ここで,ロボットには物理的接触を受けたとき,反対側に逃避する反射型ロボットを開発済みであるため,このロボットを元にシープドッグシステムに拡張していく予定である.
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