研究課題/領域番号 |
22K14289
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分21050:電気電子材料工学関連
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研究機関 | 豊橋技術科学大学 |
研究代表者 |
勝見 亮太 豊橋技術科学大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40908505)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | ダイヤモンド / 量子センサー / 量子光学 / NVセンター / ナノ構造 / 量子センシング / フォトニック結晶 |
研究開始時の研究の概要 |
ダイヤモンド中NV中心からの発光を利用する量子センサーは、室温下で高感度な磁気検出の可能性があり非常に注目されている。しかし、これまでに報告されたダイヤモンド量子センサーは既存のセンサーに比べて数桁も検出感度が劣っている。磁気検出感度を律速する要因として、NV中心からの発光利用効率の低さが挙げられる。そこで本研究では、高感度な磁気検出が可能なダイヤモンド量子センサーの実現に向けて、集団NV中心の発光強度増強と高効率光取り出しを可能にする新奇ナノ光共振器構造を独自に設計・作製することを目指す。
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研究実績の概要 |
量子的な性質の活用により、高感度なセンシングを可能にする量子センシングをはじめ、豊かな社会システムが実装できる期待されている。とりわけダイヤモンド中に形成される点欠陥である窒素―空孔(NV)センターは、優れた光学/スピン特性を有するため、磁場や電場、温度などを高感度にセンシングする次世代の量子センサとして注目されています。特にダイヤモンド中のNVセンターからの発光を利用する量子センサーは、室温下で高感度な磁気検出の可能性があり非常に注目されている。 しかし、これまでに報告されたダイヤモンド量子センサーは既存のセンサーに比べて数桁も検出感度が劣っている。ダイヤモンド量子センサーの磁気検出感度を律速する大きな要因として、集団NV中心の発光利用効率の低さが挙げられる。これはダイヤモンドの高い屈折率によってNV中心の発光が基板中に閉じ込められてしまうためであり、NV中心からの発光を効率よく取り出すためには、ダイヤモンド基板に対する光ナノ構造の導入が必要不可欠である。ところが量子センサーの分野においては、発光を高効率(>90%)に取り出すためのデバイスの設計さえほとんど行われていない。またダイヤモンド基板の直接加工は技術的に難しく、集団のNV中心を対象とする分野では発光制御や光取り出しに重要な光ナノ構造の導入もほとんど進められていない。そこで、ダイヤモンド集団NV中心の発光を増強し 高効率に取り出す光ナノ構造をどのように実現するか、が重要である。 そこで本研究では、高感度な磁気検出が可能なダイヤモンド量子センサーの実現に向けて、集団NVセンターの発光強度増強と高効率光取り出しを可能にする新奇ナノ光共振器構造を独自に設計・作製することを目指す。前年度では、数値計算上、共振器構造を用いた感度向上の可能性を実証した。本年度は、ダイヤモンドの微細加工に焦点を当てて研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
ダイヤモンドは材料上、微細加工が非常に難しい点が大きな課題であった。本年度は、独自のハイブリッド集積技術である転写プリント法と反応性エッチング技術を組み合わせることで、新しいダイヤモンドの微細加工技術の確立に成功した。また、同構造を任意の材料上にハイブリッド集積可能なことも実証することに成功した。これらの要素技術を活用して、共振器構造をダイヤモンド量子センサーに取り入れることは十分可能であり、当初の計画以上に進展しているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
確立したダイヤモンド加工技術を活用して、ダイヤモンド光ナノ共振器の作製を目指す。同共振器において、磁気感度が大きく向上できることを実験的に示す。また、科研費 国際共同研究強化の課題と合わせて、他材料フォトニクスを活用したさらなる高度なデバイスの実現も視野に入れたい。
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