研究課題/領域番号 |
22K14310
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
|
研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
金澤 健 北海学園大学, 工学部, 准教授 (80823773)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2024年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | 極限解析 / 鉄筋コンクリート / 棒材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,劣化の有無や幾何学的不連続性に左右されない力学的根拠をもつ終局耐力(曲げ,せん断)の解析解をRC 棒部材に対して導出する.本研究で導出する解析解とは,幾何学的な不連続性を考慮した力のつり合い式(下界) と,材料劣化を考慮した変形の適合条件(上界) を共に満たす終局耐力である.これにより,既設鉄筋コンクリート構造物に対して,新設時(非劣化)から供用終了時(劣化有)までの連続的な耐力評価を可能とする学術的基盤を整備する.
|
研究実績の概要 |
初年度は,高さが不連続なはり(dapped-end beams)の掛け違い部から生じる斜め引張破壊の終局耐力評価に取り組んだ。自由物体図からつり合い式を定式化し,制約付き最適化問題を解くことで極限解析における下界の解を求める方法を論文化した。具体的には,既往の文献から収集した9体の実験結果に対して,本方法はストラットータイーモデルによる予測よりもよい精度を有していることを確認した。 現在は,本方法の精度をさらに多くの実験データ(47体)に対して検証している段階である。この過程で,掛け違い部から生じる破壊のみではなく,はりの全高さにわたって斜めひび割れが発生する(デラコンコルド橋で実際に生じた)破壊に対しても適用できるような,本方法の拡張が可能なことに思い至った。後者の破壊形式について実験的に検討している文献は少ないものの,あと施工の補強効果にまで踏み込んで終局耐力評価ができるよう,力学モデルを改良している。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度に得た成果を深め,実務でも利用可能な終局耐力算定用の簡易式を解析的に導出する作業に取り組んでおり,論文化の目処も立っているため。
|
今後の研究の推進方策 |
終局耐力の導出を最適化問題に置き換えて解く方法は確立しつつある。引き続き既往の文献から実験データを収集しつつ,実務に適した簡易な耐力予測式を提供して,現場で利用してもらう方向性を模索する。同時に,本解法を偏微分方程式の枠組みの中に位置付けて理解することで,より抽象化・一般化を目指す。
|