研究課題/領域番号 |
22K14312
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22010:土木材料、施工および建設マネジメント関連
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研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
橋本 永手 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, 港湾空港技術研究所, 研究官 (50909877)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 電気化学測定 / BioFilm / 鋼材腐食 / マクロセル電流 / 微生物腐食 / マクロセル腐食 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究課題は,自然環境で鋼材表面での生成が確認されているが,実際の鋼材の腐食速度への影響が不明確な「Biofilm」に関して,Biofilmが鉄に与える化学的な作用を明らかとするものである。本研究課題の達成のため,申請者が独自に考案した脱酸素溶液中の白金の分極挙動を応用した分析機器で,Biofilmの酸化還元反応特性を測定する。Biofilmは,細菌学の分野でも近年飛躍的に発展中の題材であり,Biofilmが鉄に与える化学的な作用を世界で初めて解明するものである。
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研究実績の概要 |
近年建設が進められている洋上風力発電等は予定供用機間が短いため,無防食で対応することで大幅なコストダウンが見込めるが,現状は防食工法を適用せざるを得ない状況である。無防食対応を維持管理の選択肢とするためには,海水中鋼材の腐食速度を予測することは極めて重要である。しかし一方で,現状の技術で未だ困難なのは,自然海水中鋼材の腐食速度の予測である。自然海水中の鋼材の腐食速度は,人工的に試薬調合された海水中の鋼材の腐食速度よりも速く,その決定的な原因は不明とされてきた。本課題に対する仮説はいくつかあるが,中でも,海洋生息する細菌の影響を考慮することが,最近の世界的なトレンドのひとつである. 本研究課題は,自然環境で鋼材表面での生成が確認されているが,実際の鋼材の腐食速度への影響が不明確な「Biofilm」に関して,Biofilmが鉄に与える化学的な作用を明らかとするものである。鋼材の腐食現象は酸化還元反応であることから,鋼材表面で電子の授受が生じ,腐食と同時に電流を発する.この電流はマクロセル電流と呼ばれ,腐食速度と相関があることが知られている.したがって,BioFilmが腐食に与える影響を精緻に解析しようとする場合,BioFilmが生成した鋼材のマクロセル電流をい測定する方策となる.本年度は,BioFilmが生成した鋼材が生じるマクロセル電流とマクロセル電流の起電圧を測定するための計測原理を構築し,BioFilmの腐食特性を電気化学的に測定するための基礎理論を構築した.また,構築された理論に基づくマクロセル再現装置を製作した.作製したマクロセル再現装置に激しい回路ノイズが現れ、当該年度はこの回路改善に多くの時間が費やされた。原因は回路に塩水がかかり、回路内にショートが起きていることが突き止められた。本ノイズは既に改善されており、これからの研究に支障はない状態となった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度に製作した実験装置に不具合が生じ,装置の改良が要された.不具合の原因は突き止められ現在改良作業中である.今年度中には改良を終え,2年度目早々に予定されていた国際ジャーナルへの投稿を目指す.
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今後の研究の推進方策 |
装置の改良に時間を要し,全体の進行が遅れている.BioFilm,錆層還元,酸素濃淡電池の全ての実験を実施することは時間的に困難が見込まれることから内容を絞って実施予定である.ただし,本年度未実施分は来年度以降に独自に実施する予定である.
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