研究課題/領域番号 |
22K14314
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 宇都宮大学 |
研究代表者 |
THAY VISAL 宇都宮大学, 地域デザイン科学部, 助教 (90903667)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 接着接合部 / 疲労強度 / 疲労設計法 / 応力比 / 静的強度 / 接着端部 / 応力緩和 |
研究開始時の研究の概要 |
既設鋼構造物の性能を回復または向上させるための技術の一つとして,当て板接着工法が注目され,国内外で研究開発が行われている.しかしながら,その適用範囲は接合用材料ごとに限定的であり,疲労耐久性の評価方法は,定量的で統一的な試験方法もなく,接着接合部の標準的な設計法が示されていない.本研究では,この工法の設計の標準化を目的として,接着接合部における疲労強度の評価とその設計法を提案するものである.材料の種類・形状,試験法,試験条件等に依存する従来の評価方法を改善し,疲労寿命を疲労試験で設定した応力範囲と静的強度の組合せで整理することで,それらの条件によらない,疲労強度の評価方法の確立を目指す.
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研究実績の概要 |
接着接合部には,高いせん断応力と接着面に対して垂直応力が同時に生じるため,疲労限度を超えると,その端部からはく離が進展する.当て板接着工法による補修・補強を行う場合には,当て板端部のはく離を予防する対策が求められ,定量的な評価方法も必要である.本研究では,接着接合部の静的強度,接着接合部の疲労強度を実験的・解析的に検討し,接着接合の疲労強度を一般化し,接着接合部の設計法を提案する.さらに,接着接合部のはく離強度の向上を目的として,接着接合の端部形状を検討し,適用範囲を拡大する.令和4年度は,次年度の静的試験と疲労試験を実施するため,以下の3つの項目で検討を行った. (1)静的試験による実験データを蓄積し,静的強度の破壊包絡線の評価方法を完成させる.静的曲げ試験を行い,当て板端部のはく離の起点とその静的強度を検証した. (2)接着接合部の端部形状の検討では,まず,有限要素解析により,接着剤中に生じる力の流れと接着端部の応力状態を明らかにし,応力緩和を確認した. (3)振動型疲労試験機を導入し,共振現象などを避けるために,予備疲労実験を行い,疲労試験体の寸法を決定した. (4)接着接合部の疲労強度の評価では,振動型疲労試験機による曲げ疲労試験を行い,疲労強度を確認する.次に,有限要素解析により,はく離をモデル化して,はく離先端の応力拡大係数を算定し,線形破壊力学に基づいてはく離の進展解析を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
半導体不足により,振動型疲労試験機の制御装置の導入が遅れ,疲労試験に影響した.しかしその代わりに,静的試験による静的強度の検討を進めた.
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今後の研究の推進方策 |
次年度の令和5年度は,以下の3つ項目で検討を行う予定である. (1)静的試験による実験データを蓄積し,静的強度の破壊包絡線の評価方法を完成させる. (2)有効な当て板端部の形状を検討し,はく離の防止方法を提案する. (3)端部処理しない試験体の疲労試験による疲労強度の検討を継続する.
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