研究課題/領域番号 |
22K14317
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22020:構造工学および地震工学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
本間 小百合 山口大学, 大学院創成科学研究科, 助教 (60772499)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 薄鋼鈑 / ねじれ座屈 / 制震部材 / 鋼材ダンパー |
研究開始時の研究の概要 |
建築物の制震ダンパーの一つに、鋼材の変形性能を活用する履歴型ダンパーがある。抵抗部では、面外挙動となる座屈を避け、主に曲げやせん断降伏後の塑性変形能力を活用することが一般的である。低層で小規模な住宅等では、抵抗部の変形能力を活用するために、小振幅から早期に降伏させる工夫が必要となる。申請者はこれまでに、木造軸組構造に対して、制震要素となる薄鋼板製の制震ダンパーを提案し、載荷実験を行った。その結果、薄鋼板を用いると抵抗部に面外ねじれ座屈が生じるという特徴を発見した。本研究では、この変形能力に関する力学的因子を解明し、抵抗部のねじれ挙動を制震作用に活用するための基礎研究を行う。
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研究実績の概要 |
小規模な軸組構造に対するねじれ座屈挙動の変形能力を活用した制震ダンパーの力学的挙動を明らかにすることを目的とし、これについての研究に着手した。鋼材の変形能力を活用するこの手のダンパーでは、抵抗部が制震ダンパーとして機能することで、地震時に建物の水平荷重を抵抗部(ダンパー部)が担う効果が期待される。そのため、抵抗部の安定した挙動が求められる。しかし、木造軸組のように接合部(仕口部)の剛性が弱く、建物全体の変形性能が期待できないような建物に対しては、抵抗部の変形能力を小振幅時から発揮させ、抵抗部を早期に降伏させることが必要である。 そこで、抵抗部が軸組よりも早期に降伏するように、抵抗部の板厚を極端に薄くしたものを試みた。板厚を薄くしたことで、低荷重での降伏は得られたが、ねじれ座屈が伴うことを確認した。令和4年度においては、このねじれ座屈現象を解明するために、これまでに抵抗部で同じような現象が報告されていないか、文献調査を行い、抵抗部の幅厚比と細長比から座屈が確認されていない領域と今回のような座屈を確認した領域とを整理し、ねじれ座屈が生じる幅厚比と細長比の境目について有限要素解析を用いてパラメータスタディを行った。 また、ねじれ座屈後の繰り返し挙動について、解析を行った結果、ねじれ座屈後一定の耐力を保ったまま安定した履歴が得られたことから、解析条件に近い状態(抵抗部両端部の拘束がない)で、抵抗部のみの実験を行った。その結果、解析で得られたような抵抗部のねじれ座屈が確認され、ねじれ後の挙動についても安定した履歴が得られることが分かった。 次年度においては、ダンパーが取り付く環境下に近い条件で抵抗部の両端部の拘束条件をいれた挙動について確認していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画1年目での主な目的は、ねじれ座屈を伴う制震ダンパーに対して、解析で得られたねじれ後の挙動を実験においてもその現象を確認することであった。実験において、ねじれ後の安定した繰り返し履歴が得られた。また、このねじれ座屈の要因の一つに、抵抗部の板厚が極端に薄いことが考えられる。その他、抵抗部の拘束条件によってもその影響があるのか調査するために、解析条件を変えた検討及び実験計画を検討している。
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今後の研究の推進方策 |
ダンパーが取り付く構造形式によって、抵抗部の拘束条件がねじれやすさに影響しているのかを実現象においても確認するため、抵抗部をある程度、拘束した状態と令和4年度に実施した比較的拘束の無い状態での変形能力について検討する。抵抗部の拘束条件を明らかにした上で、同ダンパーの性能評価を行っていく。
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