研究課題/領域番号 |
22K14329
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
志村 智也 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70789792)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 気候変動 / 極端海面水位 / 高潮 / 波浪 / 台風 / 全球 / 海面上昇 |
研究開始時の研究の概要 |
沿岸域の気候変動適応策のために,海面上昇に加えて高潮および波浪による短時間の海面上昇を考慮した極端海面水位評価が必要である.既往の気候変動下の極端海面水位予測は,高潮レベルが将来にわたり不変という仮定および波浪効果による短時間の海面上昇が未考慮という大きな問題点がある.本研究では,平均海面水位+高潮+波浪効果それぞれの気候変動による変化が考慮可能かつ全球から沿岸域までの極端海面水位をシームレスに評価するモデルを開発する.全球的な極端海面水位変化の気候学的な原因を明らかにしつつ,工学的な気候変動適応策の策定に耐えうる定量的な極端海面水位の予測を提供する.
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研究成果の概要 |
気候変動下の高潮および波浪特性変化に伴う全球極端海面水位変化評価を目的に研究を実施した.全球の高潮および波浪について,外洋域から沿岸域まで高精度な長期気候計算を実施可能とする全球非構造格子モデル開発した.このモデルにより構築した高潮および波浪全球長期データを用いて,一部地域では平均海面上昇+潮汐+高潮+波浪を考慮した極端海面水位の長期経年変化を評価した.また,全球の過去および温暖化条件下の将来の波浪長期変化特性を明らかにした.日本付近の極端海面水位変化に重要な台風特性については,全球大気気候モデルを用いた独自実験により,自然変動による不確実性を含めて台風強度の強化傾向を予測した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
気候変動研究の最新の知見を取りまとめる気候変動に関する政府間パネル (IPCC) の報告書において,2013年発表の第5次報告書までは,沿岸域の脅威として平均海面上昇に焦点を当てていたが,2021年発表の第6次報告書では,高潮や波浪を含む極端海面水位変化を考慮することの重要性が指摘された.本研究は,全球における沿岸域の高潮および波浪を評価可能なモデルを開発し,これまで考慮されてこなかった高潮および波浪特性変化に伴う海面水位変化を考慮した気候変動下における全球の極端海面水位の変化予測につながる知見を得た.今後の気候変動下の沿岸域の適応策策定にとって重要な貢献となる.
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