研究課題/領域番号 |
22K14333
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22040:水工学関連
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
小野村 史穂 東京理科大学, 理工学部 土木工学科, 助教 (40822937)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | コネクテッドカー / 地上気象データ / IoTデバイス / 移動観測 / LTE通信 / 都市環境 / データ同化 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,車載に適した超小型気象観測システムを構築することで,走行車両から地上気象観測データを収集し,データの品質や特徴を分析する.さらに,気象数値計算にデータ同化することで,移動観測データの有用性を評価していく.気象測定には車載に負担の少ない超小型センサを用い,通信可能なマイクロコンピュータで制御かつクラウド上へのデータ転送を行う.複数台の車両を用いた実証実験を行い,移動観測データを収集し,データの特徴に合わせた品質管理を試みる.また,気象数値計算へのデータ同化を通して,極端気象現象の予測精度向上に寄与するかを検証し,コネクテッドカーを用いた移動気象観測の価値を評価する.
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研究実績の概要 |
本研究の目的は,人々が暮らす地上付近の大気を効率的に観測するため,自動車への搭載に特化した超小型気象観測システムを構築し,観測されたデータの有用性を評価することである.2022年度は,車載用移動気象観測システムの開発に着手し,プロトタイプを作成した.観測システムは,5つの気象要素(気温,湿度,気圧,降水強度,風速)の計測センサと,車体の位置情報や車速を測定する機器で構成される.全てのセンサ及び機器は,車体への装着や搭載が容易な小型となっており,それらをLTE通信可能なマイクロコンピュータに接続することで,制御かつデータ送信を行っている.さらに,開発した観測システムを普通自動車に搭載し,計3回の移動観測試験を行った.その観測結果に基づき,各種センサのデータ品質や特徴,車体への装着方法の問題点,移動観測特有の誤差,データ送信エラーなどを洗い出し,観測システムの改善やデータ品質向上に取り組んでいる.システムから随時送信された観測データはクラウドストレージに蓄積されており,そのデータを可視化するためのツールも作成した.開発したシステムで自動車による移動観測を行うことで,これまでになく広範囲かつ密に地上付近の大気を把握することができている.今後は,複数の自動車にシステムを搭載した実証実験を行い,地上気象観測データを長期継続的に収集するとともに,その有用性について,気象予測への寄与から評価していく.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
研究計画調書で記した通り,2022年度は自動車への搭載に特化した超小型移動気象観測システムの開発を行い,5つの気象要素を計測してクラウドストレージへデータ送信するシステムを作成した.また,開発した観測システムを車載した移動観測試験を実施しており,2023年度に計画していた観測データの品質や特徴の分析を行うとともに,システムの不具合や観測誤差の改善に取り組んでいる.さらに,クラウドストレージ上の観測データを可視化するツールも作成しており,来年度に予定している移動観測実証実験の準備を行っている.上記の研究成果は,国内の学会に1件発表しており,論文集への投稿も準備している.以上より,研究実施計画以上に進展していると判断した.
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は外部機関の協力を得て,複数台の自動車に観測システムを搭載し,移動観測実証実験を実施する.実証実験を通して,自動車を用いた移動観測の問題を把握し,システムの改善に取り組むとともに,これまでにない長期継続的かつ空間的に密な地上気象観測データの収集を目指す.得られた観測データの品質や特徴は精査し,気象予測における利用可能性について検討していく.
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