研究課題/領域番号 |
22K14343
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22050:土木計画学および交通工学関連
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
吉岡 慶祐 日本大学, 理工学部, 助教 (30755541)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 交通容量 / 無信号交差点 / ギャップアクセプタンス |
研究開始時の研究の概要 |
本研究テーマは、交通信号機の設置・撤去を合理的に判断するための無信号交差点の交通容量の評価方法の構築を目指すものである。 無信号交差点の交通容量はこれまであまり議論が及ばなかったものの、近年の交通信号機の維持管理等の問題によりその整備方針の見直しが迫られており、無信号交差点の交通容量の評価方法の再考が必要とされている。本研究課題では、交通容量の実測調査から既存の評価方法の問題点を明らかにするとともに、既存の算出方法では考慮されていない無信号交差点での交通現象を反映した推定モデルを構築し、シミュレーションによる検証を通して交通容量評価手法の提案に向けた知見を収集する。
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研究実績の概要 |
日本の現行の無信号交差点の交通容量推定方法を改めて整理するとともに、アメリカ・ドイツ・中国の推定方法に関するマニュアル類や関係する文献レビューを実施し、各国の算出モデルの構造や前提となる仮定や考え方の違い、現在の推定方法が確立されるに至るまでの経緯を把握した。 次に、現行の交通容量推定方法の精度や問題点を把握するために、交通容量が実測可能な千葉県内の3つの無信号交差点を選定し、交通容量の実測調査を実施した。得られた調査データから、既存の算出モデルによる推定値との比較検証をした。その結果、日本の推定方法は海外諸国と比較して平均で100~200台/時程度過大に推定していること、アメリカの推定方法が最も精度が良いことを確認した。さらに、推定モデルの感度分析から、アメリカの推定方法で考慮されている交錯交通量や補正率の考え方が不十分であることが、過大推定の要因となっていることが示唆された。 また、方向別交通量の特徴と推定精度の関係を調査し、主道路からの右折、従道路からの左折割合が多いときに誤差が大きいことが明らかとなった。このことから、主道路からの右折が多い場合において、主道路上で生じる待機列による補正が考慮されないこと、従道路からの左折が多い場合に、交錯交通量として考慮すべき交通量が過少である可能性を指摘した。すなわち、海外諸国の推定方法における考え方を適用し、とくに交錯交通量の補正パラメータの設定を再考することで、推定精度の向上が期待できることを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1年目に予定していた交通容量の実測調査と推定値との比較検証を実施した。当初は8箇所程度を想定していたが、調査に適したフィールドの選定に時間を要したため、調査データの取得に至ったのは3箇所にとどまった。 一方、上述の実測調査の分析により、現行のモデルの課題点が明らかとなり、次年度の検討に結び付く見通しであるため、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の研究計画通り、1年目に実施した調査結果を踏まえ、無信号交差点での交通現象を反映した交通容量推定式を構築する。 とくに、交錯交通量の設定が推定精度に大きく影響することが明らかとなったことから、交錯交通量の設定方法に関わる流入判断プロセスの影響の程度を実態調査から明らかにする。また、既存の算出方法に対してその影響を何らかの補正パラメータとして加える方針とし、その手法の検討を進める。同時に、算出に必要な各種パラメータを現地調査により観測する予定である。
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