研究課題/領域番号 |
22K14356
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分22060:土木環境システム関連
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研究機関 | 長岡技術科学大学 |
研究代表者 |
滝本 祐也 長岡技術科学大学, 工学研究科, 助教 (50914610)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 極小細菌 / 膜ファウリング / 分離培養 / 膜面バイオフィルム / 高分子分解 |
研究開始時の研究の概要 |
膜ファウリングは、膜分離活性汚泥法(MBR法)の主要な課題であり、分離膜上のバイオフィルム形成に伴い膜透過流速が低下する現象である。本研究は、極小細菌が膜ファウリング原因物質を分解するという仮説を実証するために、膜ファウリングの原因となる難分解性高分子を単一基質とする極小細菌の分離培養とその生理生態学的特徴を明らかにする。最終的に、膜ファウリング原因物質を直接分解する極小細菌を用いた新規の膜ファウリング制御システムの開発につなげる。
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研究実績の概要 |
本研究は、超微小細菌(以下、極小細菌)が、膜ファウリング原因物質を分解するという仮説を検証するため、膜ファウリングの原因物質を単一基質とする極小細菌の分離・培養とその生理生態学的特徴の解明に挑む。極小細菌は、膜分離活性汚泥法の活性汚泥中には極めて低い頻度で検出される。これまで極小細菌はバイオフィルム分解に関与する可能性は考えられてこなかったが、申請書のこれまでの研究により逆説的作用が存在する可能性が示唆されている。極小細菌は膜面のバイオフィルム中において集積されており、本研究においては、これら極小細菌を膜面バイオフィルム原因物質で培養することを起点にその生理生態学的特徴を明らかにし、膜ファウリングを直接分解する極小細菌を用いた新たな膜ファウリング制御手法を提案する。本年度も継続してバイオフィルム中における極小細菌の検出と、それらを対象として液体培養と個体培養を実施し、バイオフィルムに高頻度で検出される微生物の濃縮および単離に成功した。一方で、バイオフィルム形成する可能性のある微生物を直接分解する微生物の単離を試み、それらの培養手法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
バイオフィルム形成細菌を直接分解する微生物の培養手法の改良に多くの時間を要し、対象の細菌の分離培養までに到達することができなかったが、新規微生物の培養手法を確立することができた。また、通常サイズのサイズではあるが、新規バイオフィルムに高頻度で検出され、極めて新奇な微生物を濃縮することに成功した。これら微生物は増殖に要する時間が極めて長く、予定していた単離されたバイオフィルム形成細菌の生理生態学解析を実施することができなかったため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
来年度は、今年度確立した培養手法をバイオフィルムサンプルに適用し、極小細菌の培養と、バイオフィルム形成細菌を殺菌する微生物の分離培養を実施するとともに、遅れていた微生物の生理生態学的解析を実施する。特に、バイオフィルムに含まれている高分子の分解特異性の有無を調査する。また、極小細菌のリアクター内における濃縮デバイスを用いて、MBR内での保持性の調査を実施する。
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