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地盤の不整形性と履歴特性を考慮した群杭の非線形杭周地盤ばねのモデル化

研究課題

研究課題/領域番号 22K14360
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分23010:建築構造および材料関連
研究機関大阪大学

研究代表者

中野 尊治  大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (00805806)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード杭基礎 / 傾斜基盤 / 地盤改良 / 群杭 / 振動台実験 / 梁-ばねモデル / 有限要素解析 / 羽根付き杭 / 原位置載荷実験 / 非線形相互作用 / 杭周地盤ばね / 不整形地盤 / 履歴特性
研究開始時の研究の概要

南海トラフ巨大地震や大都市直下地震の発生が危惧される中、大地震を想定した杭の2次設計の導入を目的として建築基礎構造設計指針が2019年に改定された。大地震時の杭の応答評価モデルを高度化するためには、杭周地盤の水平抵抗特性を杭周地盤ばねに取り入れる必要がある。しかし、現在の杭周地盤ばねは、支持層の傾斜や地盤改良による不整形地盤に対する適用性が明確ではない。また、群杭効果や杭-地盤間の剥離による複雑な履歴特性は十分には考慮されていない。そこで本研究では、杭周地盤ばねの復元力特性を模型振動台実験と三次元有限要素解析の両面から見直し、杭支持建物の応答評価に用いる杭周地盤ばねの復元力モデルを提案する。

研究実績の概要

大地震時の杭基礎の応答評価モデルを高度化するためには、杭周地盤の水平抵抗の非線形特性を水平地盤ばねに取り入れる必要がある。水平地盤ばねの剛性と極限地盤反力の算定式は平行成層地盤を前提に定められており、支持層が傾斜した地盤や、地盤改良等の施工上の原因で局所的に土性が変化した地盤への適用性は明確ではない。本研究では、このような地盤を「不整形地盤」と総称し、不整形地盤に建設された杭基礎の水平抵抗性状の解明とモデル化を目的とする。2023年度は特に、支持層の傾斜した地盤と、杭の水平地盤反力の向上を目的とした固化改良によって杭近傍の剛性が高くなった地盤を検討対象とした。
(1)傾斜支持層の検討:まず、一連の模型振動台実験とその解析の結果を取りまとめた。それと並行して、実大スケールの杭基礎建物モデルを用いて、支持層の傾斜が群杭効果に及ぼす影響を分析した。支持層が傾斜した地盤では杭ごとに軟弱層の厚さが異なり、杭の変形モードが平行成層地盤とは異なるため、群杭に作用する水平地盤反力の特性、および杭のせん断力に影響が及ぶ場合があることを明らかにした。
(2)地盤改良の検討:均質地盤中の理想的な単杭を対象に、杭頭近傍の地盤を固化改良した場合の杭応力評価モデルを提案した。まず、三次元有限要素解析の結果を正解値と見なし、Winklerばねを用いた従来型の梁-ばねモデルで杭応力評価を試み、改良体の挙動に起因する複雑な杭応力分布の表現に難があることを示した。その後、改良体をばねと剛性要素の組み合わせでモデル化した梁-ばねモデルを開発し、杭応力分布の評価精度を格段に向上し得ることを明らかにした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

支持層の傾斜を考慮した検討では、2022年度に引き続き群杭効果に関する有意な知見が得られている。地盤改良を考慮した検討については、実験を見送り解析的な検討に留まったものの、提案した梁-ばねモデルの一定の有効性を示すことができた。以上より、本研究は「おおむね順調に進展している」と判断する。

今後の研究の推進方策

(1)傾斜支持層の検討:2023年度に明らかにした群杭効果との関係を整理し、学術論文として取りまとめる。
(2)地盤改良の検討:敷地地盤の種別や改良体の物性、杭の配置といった変数が、提案した梁-ばねモデルの有効性に及ぼす影響を検討し、必要に応じてモデルの修正を行う。また、大阪大学で室内模型実験を行い、実測データに基づく検証も実施する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2023

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 三次元有限要素法による粘性土中の羽根付き杭の水平抵抗評価手法2023

    • 著者名/発表者名
      中野尊治,柏尚稔,小林俊夫,宮本裕司
    • 雑誌名

      日本建築学会構造系論文集

      巻: 88 号: 805 ページ: 457-466

    • DOI

      10.3130/aijs.88.457

    • ISSN
      1340-4202, 1881-8153
    • 年月日
      2023-03-01
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] 傾斜基盤上の群杭の静的杭頭載荷解析2023

    • 著者名/発表者名
      岸なな衣,中野尊治,柏尚稔,宮本裕司
    • 雑誌名

      日本建築学会近畿支部研究報告集

      巻: 構造系(63) ページ: 361-364

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [雑誌論文] 静的杭頭載荷解析に基づく傾斜基盤上の群杭の水平抵抗2023

    • 著者名/発表者名
      岸なな衣,中野尊治,柏尚稔,宮本裕司
    • 雑誌名

      日本建築学会大会学術講演梗概集

      巻: 構造II ページ: 1003-1004

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 傾斜基盤上の群杭の静的杭頭載荷解析2023

    • 著者名/発表者名
      岸なな衣,中野尊治,柏尚稔,宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会近畿支部研究発表会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 静的杭頭載荷解析に基づく傾斜基盤上の群杭の水平抵抗2023

    • 著者名/発表者名
      岸なな衣,中野尊治,柏尚稔,宮本裕司
    • 学会等名
      日本建築学会大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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