研究課題/領域番号 |
22K14364
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
陳 逸鴻 長崎大学, 工学研究科, 助教 (00846123)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2027-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2026年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2025年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 高性能膨張剤 / 鋼構造継手 / 複合構造 / 鋼構造 / 接合部 / 接合工法 / 高性能膨張材 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,土木分野で連続繊維緊張材の定着に用いる高性能膨張材を,鋼構造の現場施工の接合部に適用し,作業効率の向上と接合部性能の均一を図ることを目的とする. 載荷実験と数値解析の2つの方面から,提案の接合工法の安全性を確認すると同時に,試験体の製作を通じて施工性を高める.最終的に新しい接合部工法を提供することを目指している. 本研究の成果により,建設現場の負担は大きく軽減されるため,コスト低減と工期短縮が期待でき,その波及効果が大きい.
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研究実績の概要 |
高性能膨張剤を利用した鋼構造建物の新しい継手を開発するために,2023年度は前年度で計画した実験を実施し,高性能膨張剤による接合箇所の性能を検討した. 高性能膨張剤による接合箇所は鋼管スリーブ,鋼棒,膨張剤で構成され,膨張剤の膨張圧で鋼管スリーブと鋼棒を定着させる仕組みになっている.2023年度で最初に行った実験の結果から,普通の鋼棒を用いる場合,鋼棒の塑性化に伴い接合箇所の耐力が下がる可能性があることを確認した.特に,鋼棒の接合長さが短い場合,上述の耐力低下が顕著になる.この結果を受け,普通の鋼棒の代わりに,強度の高いPC鋼棒を用いて,再度試験体を作成し,2度目の実験を行った.PC鋼棒を用いる場合,接合長さがやや短くても,棒材は塑性化せず,接合箇所には十分な耐力が発揮できたことを確認した.接合箇所の安全性を向上させるためには,強度の高いPC鋼棒を用いた方がいいことがわかった. また,2度の実験を通じて,高性能膨張剤による接合を実際に施工し,設計した試験体における膨張剤の充填・部材の接合・接合後の充填量の確認は特殊な道具も用いることなく学生でも実行できることを確認した.現在よく使われている接合工法より施工が簡単になると考えられる. 最後に,高性能膨張剤による新しい継手の実用化に向けて,新しい継手の保有性能だけでなく,鋼構造建物の継手の必要性能を把握する必要がある.しかしながら,鋼構造柱継手などの必要性能について明確にされていない点がある.そのため,上記の新しい継手の実験的研究と並行して,鋼構造柱継手の必要性能に関する解析的研究を行い,その成果を国際学会International Conference on Behaviour of Steel Structures in Seismic Areas(STESSA2024)に投稿し,2024年7月に発表する予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
2023年度だけで考えると,順調に1年分の成果が得られていると考えている.しかしながら,2022年度は試験体用の鋼材が不足により遅れた分は取り戻せていないので,2022~2023年度の2年間で予定した内容に対して,85%~90%は達成できていると考えている.
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今後の研究の推進方策 |
高性能膨張剤による接合箇所の性能を引張試験で確認できた.ただし,引張力とせん断力による複合応力を受ける接合箇所の特性について,把握できていない部分もあるため,引き続き実大実験を行い,新しい接合工法の安全性を確認する. また,次の段階として,実務設計に向けて,高性能膨張剤で接合した接合部の耐力の計算方法を確立する必要があり,実験結果を踏まえて,計算方法を検討する.
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