研究課題/領域番号 |
22K14369
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23010:建築構造および材料関連
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
吉野 裕貴 仙台高等専門学校, 総合工学科, 准教授 (70756428)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 非構造部材 / 横座屈 / 並列梁 / ラーメン骨組 / 設計耐力 / 柱梁接合部 / 横曲げ変形 / 反り変形 / ラーメン骨組み / H形断面梁 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,大空間構造物において,柱・柱梁接合部による梁端の横曲げ・反り変形拘束効果と屋根折板や離散的に取り付いている複数の母屋材による連続補剛効果の複合的な効果を解明するために,1)骨組における並列梁の横座屈に対する梁端の横曲げ拘束と反り拘束の複合効果を明らかにする,2)大空間構造物を模擬した縮小模型振動台実験及び有限要素解析により,H形鋼梁の動座屈崩壊メカニズムと終局耐力を把握する。さらに,3)非構造部材(補剛材)による連続補剛効果及び梁端の横曲げ拘束と反り拘束の複合効果を考慮した並列H形鋼梁の動座屈崩壊メカニズムを解明する。
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研究実績の概要 |
【載荷方法の違いによる縮小模型実験による鉄骨構造物内の並列H形鋼梁の横座屈挙動の解明】 並列梁の補剛しない場合(無補剛)と極薄アルミ折板により並列梁を補剛する場合(連続補剛)の横座屈性状について,載荷方法をパラメータとして明らかにした。載荷方法は一方向への強制変形(単調載荷)と振動台を用いた強制振動(繰り返し載荷)である。 昨年度は1層1スパンラーメン骨組みにおける連続補剛並列H形断面梁の動座屈実験を行った。その結果,並列梁の内,一方の梁が先行して横座屈しても骨組み全体の耐力は低下せず,その後,もう一方の梁も横座屈することで,骨組全体の耐力が低下することを確認した。また,振動載荷時に梁の横座屈後より骨組みが一方向に傾きながら倒壊した。応答加速度は並列梁の横座屈変形とともに低下した。 骨組において無補剛の場合,最大荷重時の部材角は繰り返し載荷が単調載荷より4%程度大きく,最大荷重は繰り返し載荷が単調載荷より3%程度大きい。また,連続補剛の場合,最大荷重時の部材角は繰り返し載荷が単調載荷より12%程度大きい。一方で,最大荷重は繰り返し載荷が単調載荷より2%程度大きく,載荷方法の違いによる耐力の違いはほぼ見られない。ただし,単調載荷より繰り返し載荷の場合の最大荷重が上昇したが,これは,歪硬化のうち等方硬化の寄与により応力が上昇したことが理由である。 また,連続補剛の場合,折板により並列梁の横座屈変形が拘束されるが,座屈モードは2種類確認できた。1つは,並列する梁が同一方向に横座屈する場合(mode-1),もう一方は並列する梁が逆方向に横座屈するモード(mode-2)である。なお,座屈モードごとに折板に生じる補剛モーメントや補剛剛性は異なり,mode-1に対してmode-2の方が補剛剛性は1/3程度となるため,mode-2が理論上の座屈モードとなる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年度に引き続き,縮小模型による並列梁の横座屈性状について明らかにした。並列梁の横座屈は,同時もしくは一方の梁の横座屈により座屈モードが異なることを明らかにした。さらに,並列する梁の横座屈が骨組みの耐力に及ぼす影響を実験により把握でき,おおむね計画通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
ラーメン骨組みにおける並列梁の横座屈耐力評価法の提案 2024年度は,本研究で提案する非構造部材-梁接合部の 拘束度及び塑性化する非構造部材の補剛剛性を考慮した架構全体の解析モデルを構築する。その際,2022年度に行った屋根折板の接合部を対象とした捩れ実験により得た補剛剛性の低下率や並列梁の断面形状,補剛間隔をパラーメータとした弾塑性横座屈耐力と大変形時に塑性変形性能を把握する。
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