研究課題/領域番号 |
22K14377
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23020:建築環境および建築設備関連
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研究機関 | 久留米工業大学 |
研究代表者 |
山本 竜大 久留米工業大学, 工学部, 助教 (30849188)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | ES / CFD / WBGT / 有効放射面積率 / 連成解析 / 対流熱伝達率 / 熱ストレス / 人体温熱生理モデル |
研究開始時の研究の概要 |
設計実務における環境シミュレーションの利用が増加傾向にある。そのような状況の中において室内の熱環境だけでなく快適性に関する評価も重要視されてきている。人体の非定常温熱生理を精緻に計算するモデルが存在するが、環境シミュレーションを用いて更なる精度の向上が見込める。なお、ここで述べた環境シミュレーションとは、伝熱工学および流体工学に立脚するものである。以上の理由から本研究では、人体温熱生理計算ツールと環境シミュレーションを連成する事によって、設計時に利用可能な連成モデルの構築を目指すものとする。
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研究実績の概要 |
本研究では、人体側の評価を含めた建物モデルを包括した熱環境シミュレーションツールの構築を行った。Energy Simulation(ES)とComputational Fluid Dynamics(CFD)を人体温熱生理モデルと連成させる事による非定常温熱生理の計算を精緻に行う事を目的として連成モデルを考案し、検証した。連成モデルの構築に際して、レイトレーシング法を用いて形態係数を精緻に算出し、Fangarら(1970)の既往研究と計算値が一致する事を確認した。ここで、有効放射面積率を算出し、放射熱伝達率の算定に用いた。放射熱伝達率の入力条件としては、平均放射温度(ES)と着衣表面温度(人体温熱生理モデル)を選定し、アシュレイの放射熱伝達率の計算式として利用した。人体温熱生理モデルとESとCFDの熱バランスを確認して、計算結果の妥当性を示した。人体各部位のPredicted Mean Vote(PMV)も計算した。更に、提案した連成解析モデルの計算負荷削減の検討も行い、収束計算が不要である事が明らかとなった。空調機吹き出し角度を変更した感度解析を行い、対流熱伝達率の変動による人体温熱生理への影響やPMV計算値への影響度を確認した。建築分野の設計に生かせるシミュレーションツールの構築が完了した。また、人体熱ストレスに関する検討を行った。簡易なモデルを作成し、従業員側のスペースを模擬した空間を解析対象とした。カフェの従業員側の人体熱ストレスを再現し、人体温熱生理に基づくWet Bulb Globe Temperature(WBGT)を用いて評価を行った。さらに、局所対流熱伝達率がWBGTに与える影響も明らかとした。本研究では、一連の流れとして人体温熱生理モデルの構築と人体熱ストレスに関する基礎的検討行い、有益な知見を得る事が出来た。
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