研究課題/領域番号 |
22K14381
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
大津山 堅介 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任講師 (50881992)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 気候変動適応策 / 世代間効果 / 住まいの復興と適応策 / 移住定住選択 / 近傍移住 / 気候変動 / 海面上昇 |
研究開始時の研究の概要 |
気候変動に伴う海面上昇は,人間の居住可能地に変化を生じさせ今後更なる課題に膨れあがる可能性がある.言い換えれば,居住可能地と自然環境との境界線に変動が生じていると言える.本研究は被災後の移住研究に「世代間効果」という新たな概念を導入し,移住・定住意思決定における時間スケールの拡張を企てる.本研究は日米の国際比較として,海抜ゼロメートル地帯が広がる東京都と米国フロリダ州を対象とし,アンケート調査によって先代から受け継いだ土地や生業と移住・定住意思の相関を示し,属性別の回帰分析を用いて「世代間効果」を定量的に示すことを目的とする.
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研究実績の概要 |
本研究は「気候変動と居住可能地の境界変化:意思決定における時間スケールの拡張と世代間効果」と題し,居住可能地の減少リスクに対して撤退概念への世界的な関心が高まる中,日本特有の低い流動性の要因を明らかにするため,被災後の移住研究に「世代間効果」という新たな概念を導入し,移住・定住意思決定における時間スケールの拡張を企てる研究である. 初年度となる2022年度は,事前調査として米国フロリダ州,ニュージャージー州の現地調査を行い,水害常襲地における撤退(バイアウト)事業とともに,高床化補助事業による非移住型の適応策の現状把握を実施した.同調査では,堤防のない河川沿岸に立地していた住宅がバイアウト事業によって再自然化される一方,撤退(バイアウト)による居住者移転によって税収減が懸念されることから,基礎自治体の規模(人口)と事業選択に何らかの相関があることが示唆された. また同調査結果から,当初想定していた沿岸部の災害リスクも重要である一方で気候変動に伴う外水氾濫(河川の越水,溢水,破堤による氾濫)のリスクが高まっていることから,本研究では外水氾濫被災地にも目を向けることとした. 同様に日本国内では,令和元年東日本台風の被災地である長野県長野市を対象とした事前調査を行い,米国に見られた近傍移住や高床化された住宅による復興も見られた.2022年度はシンポジウムでの発表など現在までの進捗を報告する機会を得た.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
懸念された新型コロナウイルスの影響も最小限に抑えられたため,予定していた海外渡航による現地調査が実現できたため.また対照となる日本の研究フィールドでの具体的な研究の進展も見られたため.また2023年度は学会での発表も決定しており,概ね順調に進展していると言える.
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今後の研究の推進方策 |
上述のように,本研究では気候変動適応策として沿岸を対象としてきたが,外水氾濫のリスクも高まっているため,河川沿いの地域も対象に含めることとした.2023年度は日米の研究フィールドにおける共通した変数を探索しつつ,本研究に向けた具体的な準備を進める.
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