研究課題/領域番号 |
22K14405
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分23030:建築計画および都市計画関連
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研究機関 | 金沢工業大学 |
研究代表者 |
藤井 健史 金沢工業大学, 建築学部, 講師 (50599199)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 緑地計画 / ランドスケープデザイン / コンピュテーショナルデザイン / ランダム配置 / 全方位視野 / 立体角 / 緑視率 / 公園・緑地計画支援 / モンテカルロシミュレーション / GPGPU / 交差判定 |
研究開始時の研究の概要 |
公園などの外部空間において、利用者からどれだけ緑が見えているのか(=緑視率)は、快適性向上の観点から計画上の重要なテーマである。しかし、緑視率を把握するには高度な計算が必要であり、計画段階で緑視率を考慮して樹木配置を決めることは難しい。そこで本研究では、与えられた敷地に対して配置する樹木の形状と本数を決定した場合の緑視率の期待値をコンピュータシミュレーションによって導出し、その数理的関係を数式化する。これにより、「計画中の樹木配置によって敷地内の緑視率はどの程度になるのか?」、「目標緑視率の達成には、選定した樹木を何本配置すればよいか?」、といった検討を、高度な計算をせずとも行えるようになる。
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研究実績の概要 |
外部空間において、利用者からどれだけ緑が見えているのかは、快適性の向上の観点から計画上の重要なテーマである。近年では都市空間の緑視率(=視界に占める緑の割合)の目標値が定められる例もあり、緑視率の確保を加味した植栽計画の立案が求められていると言える。そこで本研究は、与えられた敷地に対して配置する樹木の形状と本数を決定した場合の緑視率の期待値をモンテカルロシミュレーションによって導出し、その数理的関係を体系的に数式化することを目的とする。 2022年度は、マルチGPU演算の実装に取り組み、緑視率計算のさらなる高速化を達成した。これにより膨大なパターンのシミュレーションを実行可能となった。また、開発した計算手法を用いて、緑視率期待値計算のモンテカルロシミュレーションを進めた。具体的には、街区公園の規模を想定した50m四方の仮想敷地において、12種類の樹木形状と、5,10,15,20,25,30,35,40%の8段階の緑被率を条件として設定し、これに応じた本数分の樹木を敷地にランダムに樹木を配置した場合の緑視率期待値の計算を行った。確率的に収束させるため、樹木形状と想定緑被率の各組み合わせに対してそれぞれ300通りのランダム樹木配置モデルを生成することとした。即ち、樹種12種類×想定緑視率8段階×各300ランダムモデル=計28,800モデル緑視率の計算を実行し、完了している。現在、これまでに得られた緑視率期待値のモンテカルロシミュレーションの計算結果を精査している。具体的には、結果の図化や推定式の作成に着手しているほか、シミュレーションの精度検証などに取り組んでいる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
緑視率の高速計算手法の開発およ緑視率期待値算出のモンテカルロシミュレーションは順調に遂行できている。与えられた敷地に対して配置する樹木の形状と本数を決定した場合の緑視率の期待値を算出し、それらの結果を図や数式を用いて体系的にまとめるといった本研究の目的についても、これまでに得られた計算結果を精査する中で良好な見通しを得ている。
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今後の研究の推進方策 |
現在、これまでに得られた緑視率期待値のモンテカルロシミュレーションの計算結果を精査している。具体的には、結果の図化や推定式の作成に着手しているほか、シミュレーションの精度検証などに取り組んでおり、まずはここまでの研究成果として取りまとめる。一方、今後さらなる検討に着手すべき課題も発見されているため、それらについても積極的に研究を進めていきたい。例えば、現段階では敷地を50m四方に固定してシミュレーションを行ったが、敷地のサイズを変化させた場合の緑視率期待値の挙動は検討すべきかもしれない。また、敷地に配置する樹木は同一形状としてシミュレーションしたが、実際の計画では樹木形状が不揃いであることも一般的であろう。配置樹木の形状の不揃いが緑視率期待値の算出にどのように影響するかの検討も今後の課題として挙げられる。
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