研究課題/領域番号 |
22K14426
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24010:航空宇宙工学関連
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研究機関 | 福岡大学 |
研究代表者 |
川端 洋 福岡大学, 工学部, 助教 (50881364)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 宇宙推進工学 / ハイブリッドロケット / 低融点燃料 / 燃料後退速度 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はハイブリッドロケット(HR)の実用化に向けた基礎研究である。申請者は、HRに従来用いられてきた燃料の欠点であった低燃焼速度及び機械的物性を克服したLT燃料(低融点熱可塑性樹脂燃料)に注目した。LT燃料をはじめとした低融点燃料の燃焼モデルはHR特有の問題により未解明である。推進性能の詳細予測には、その確立が不可欠である。本研究は、観察窓付き淀み点燃焼器を用いて、端面燃焼する燃料内部に熱電対及び光学観測によって燃料内部から火炎における温度場計測を実施し、HR用LT燃料の燃焼モデル解明を目的とする。
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研究実績の概要 |
昨年度製作した観察窓付き淀み点燃焼器を用いて、パラフィン燃料を用いた燃焼実験を複数回実施した。昨年度の課題となった酸化剤インジェクタを設計・製作し健全性を確認した。改良型酸化剤インジェクタを用いることで、円筒状燃料端面をポテンシャルコア内に収め、燃料端面において一定流速で酸化剤を供給することが可能となり、一様場における高精度な燃料後退速度の測定が可能となった。また、燃料直径を大きくすることで質量流量が増え、昨年度の課題であった燃焼室圧力の立ち上げりが理想状態に近づいた。実験によって得られた燃料後退速度は一般的な理論と同様に酸化剤質量流束のみに依存した。昨年度は燃焼室圧力にも依存していたことから改善が確認された。これによって淀み点ハイブリッドロケット燃焼器で、一般的なハイブリッドロケットと同様の燃焼を再現できたと考える。また本成果を受けて燃料表面に形成される液相の流動を排除した実験を行うことで液相の流動が燃料後退速度に与える影響の明確化が可能になると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
酸化剤インジェクタの改良が必要となり、設計製作、健全性確認試験を実施したため計画にやや遅れが生じた。得られた結果は目標を満足するものであるため、次年度以降の計画に影響はないと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
大学の異動に伴い、実験環境の再構築が必要なため、前年度の改善点を盛り込んだ構築を実施する。昨年度の成果から燃料端面に一様流速で酸化剤の供給が可能となり、ハイスピードカメラを用いて燃焼時における燃料表面観察を行い、燃料表面に形成される液相の挙動を観察する。また、燃料表面に形成される液相の流動を排除した実験を行い、昨年度までの結果と比較することで液相の流動が燃料後退速度に与える影響を明確化する。
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