研究課題/領域番号 |
22K14434
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
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研究機関 | 松江工業高等専門学校 |
研究代表者 |
奥原 真哉 松江工業高等専門学校, 実践教育支援センター, 技術専門職員 (90835779)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 流体ダイオード / 波力発電 / ツイン衝動型タービン / 風洞試験 / CFD |
研究開始時の研究の概要 |
海洋エネルギー利用技術の一つである振動水柱型波力発電で使用する空気タービンとして,一方向流れに使用する衝動型タービン2台を用いて往復気流を整流する波力発電用ツイン衝動型タービンが提案されている. 本研究では,波力発電用ツイン衝動型タービンの逆方向タービンへの気流の流入抑制を目的とした流体ダイオードについて,定常流を対象としたCFD解析と風洞試験の実施により整流効果の高い流体ダイオード形状を提案し,波力発電用ツイン衝動型タービンの往復気流における平均効率の向上を目指す.
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研究実績の概要 |
海洋エネルギー利用技術の一つである振動水柱型波力発電で使用する空気タービンとして,一方向流れに使用する衝動型タービン2台を用いて往復気流を整流する波力発電用ツイン衝動型タービンが提案されている.本研究では,この波力発電用ツイン衝動型タービンに使用する流体ダイオードについて,定常流を対象としたCFD解析と風洞試験の実施により整流効果の高い流体ダイオード形状を提案し,波力発電用ツイン衝動型タービンの往復気流における平均効率の向上を目的として研究を実施している. 本研究実施期間の初年度である令和4年度は,研究の第一段階として従来の研究により好適であった流体ダイオード形状について風洞試験とCFDを用いた流れ解析を行った。それぞれから得られた圧力係数を比較した結果,風洞試験とCFDに大きな差は無く,CFDによる流れ解析の妥当性を示すことができた. CFD(数値流体力学)による流れ解析で示された結果は,解析ソフトウェアを用いて計算により予測した値であるため,同じ供試流体ダイオードによる実験の値と比較し,計算結果の妥当性を示すことが重要である.このことから,本研究においてCFD解析結果の妥当性が示されたことで,整流効果の高い流体ダイオード形状の検討をCFDにより実施し,得た結果が有用であることが証明された. さらに従来の研究により好適であった流体ダイオード形状を基準として流体ダイオードの要素の一つである鈍頭物体の設置位置を変化させ,整流効果に及ぼす影響を調査した.その結果,鈍頭物体の好適な設置位置を示すことができた.本研究の目的である波力発電用ツイン衝動型タービンの往復気流における平均効率の向上において,整流効果の高い流体ダイオード形状を得るため,鈍頭物体は重要な要素の一つである.このため,鈍頭物体の好適な設置位置の解明は研究目的の達成のためにも重要な要因となる.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和4年度は,提案する整流効果の高い流体ダイオードの風洞試験を行うため流体ダイオード試験用風洞の製作から行った.従来の研究により好適であった流体ダイオード形状を基準に各部を変化させたとき3Dプリンタにより問題なく製作し,実験のできる大きさとなるよう,流路直径は80mmにより風洞試験装置を製作した. 研究の第一段階として従来の研究により好適であった流体ダイオード形状を2種類の3Dプリンタにより製作し,風洞試験とCFDを用いた流れ解析を行った.これにより実験値と解析値の比較をし,CFD解析の妥当性の検証と実験に用いる供試流体ダイオードを製作する3Dプリンタ機種の検討を行った.その後,ツイン衝動型タービンに好適な流体ダイオード形状を調査するため,流体ダイオードの要素の一つである鈍頭物体の位置を変化させ整流効果に及ぼす影響をCFD解析により調査した. 当初の研究実施計画と前後するところはあるがおおむね計画通り進展している. このため,「おおむね順調に進展している.」の区分とした.
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今後の研究の推進方策 |
本研究では整流効果の高い流体ダイオード形状を提案し,波力発電用ツイン衝動型タービンの往復気流における平均効率の向上を目的としている.この目的を達成するため,研究実施計画の③風洞試験用流体ダイオードの製作(R5年3月~R5年5月)を変更し,(R4年12月~R5年5月)とし,さらに④流体ダイオードの風洞試験(R5年6月~R5年8月)も前倒しし,(R5年1月~R5年8月)として研究を進めている.このため令和5年度は引き続きこの計画に沿って研究を進める.一方で以下に示す研究実施計画の②~④のサイクルを増やすことでさらなる成果の創出を目指す. ②CFD解析による流体ダイオードの設計(R5年4月~R5年5月)従来の研究結果に基づき,CFD解析により種々の流体ダイオード周りの流動状態を予測することでツイン衝動型タービンに好適な流体ダイオード形状を調査し,項目③の風洞試験に使用する供試流体ダイオードを設計する.③風洞試験用流体ダイオードの製作(R5年6月~R5年7月)項目②の設計に基づき,3Dプリンタにより供試流体ダイオードを製作する.④流体ダイオードの風洞試験(R5年8月~R5年9月)項目③で製作した供試流体ダイオードの風洞試験を実施し,各ダイオードの正方向,逆方向の流れにおける差圧(流体ダイオード前後の圧力差)と流量の関係(差圧-流量曲線)と差圧比(=逆方向流れ時の差圧/正方向流れ時の差圧)を求める.前倒し支払い請求時の計画と重複するが、並行して行うことで問題点の抽出や新たなアイデアの創出をねらう. また,研究目的達成のため,令和6年度の研究実施計画も可能な限り前倒しして研究を進める.
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