研究課題/領域番号 |
22K14435
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分24020:船舶海洋工学関連
|
研究機関 | 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所 |
研究代表者 |
馬 沖 国立研究開発法人海上・港湾・航空技術研究所, その他部局等, 研究員 (30773197)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
|
キーワード | 粒子法 / SPH / 船体運動 / スロッシング / 非線形 / 連成解析 / 連成数値解析 / LNG船 |
研究開始時の研究の概要 |
LNGの安定供給と輸送効率の向上のニーズに応えるには、LNG船及びLNGタンクの大型化を図る必要がある。船体及びタンクが大型化すると、波浪中での船体運動やそれに伴うタンク内流体挙動が従来と異なってくる可能性がある。LNG船の事故や船体構造損傷を未然に防ぐには、数値シミュレーションや模型実験で現象を忠実に再現して安全設計に活かすことが重要になる。 本研究において、最先端の粒子法理論に基づき、3次元数値水槽とLNG数値タンクを同時に作成し、大波高中LNG船の非線形船体運動とタンク内流体応答の相互作用及びLNG船の船体構造とLNGタンク構造安全性を定量分析することを目指す。
|
研究実績の概要 |
①最新GPUを用いて、GPGPUサーバーを構築した。 本研究では、粒子法を用いて数値水槽、船舶模型及びタンク模型を作成する必要があるため、数千万あるいは億以上の粒子数と考えられる。膨大な粒子モデルを計算するため、CPUにより数十倍の並列計算性能を持つGPUで計算する必要がある。R4年度は最新のGPUを使って、GPGPUサーバーを構築した。先行研究で構築したGPGPUサーバーより、計算性能が約2倍以上向上できた。 ②粒子法造波精度の検証と浮体粒子モデルの改良。 タンク内非線形流体荷重を考慮した大波高中非線形船体運動を計算するため、高精度な数値造波が必要である。新しいGPGPUサーバーを使用し、粒子法数値水槽を作成した。実験値及び波理論との比較を通じて、数値水槽の規則波の造波精度を検証した。波条件により、最適な水槽大きさとDamping Zoneの設定を検討した。 先行研究で確認した流体粒子と固体粒子間の非物理的な隙間問題が、本研究での流体粒子と浮体粒子間でも発見された。この隙間の存在により、船体に作用する流体力を計算する際に大きな予測誤差が考えられる。そのため、R4年度には先行研究で固体粒子に導入した「Dummy Particle Condition」を新たに浮体粒子に導入し、浮体粒子と流体粒子の相互作用方程式を改善して、浮体粒子モデルを改良した。改良した浮体粒子モデルを使用することで、元粒子法数値モデルに存在する浮体と流体の間の非物理的な隙間問題を解決し、大波高非線形規則波模型実験のテータと比較して、船体運動の計算精度の向上が確認できた。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画のとおり、新しいGPGPUサーバーを構築し、計算性能が以前より2倍以上向上できた。 粒子法を用いて、数値水槽を作成し、造波模型実験結果との比較に通じて、数値水槽の規則波造波精度を検証した。さらに、浮体粒子モデルの改良作業を実施し、船体運動の予測精度を改善でき、概ね順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
今後、本課題で推進する事項として以下がある。 ①粒子法に関する最新理論を引き続き調査し、本研究での粒子法モデルに導入する。 ②改良した浮体粒子モデル用いて、船体周囲の水圧分布を検証する。更に、船体周囲の水圧の積分値に基づき、船体縦曲げモーメント分布を計算し、実験値と比べ、改良したモデルの予測精度を検証する。 ③模型実験ための模型の設計と製作。 ④粒子法を用いて、船体運動とタンク内流体応答連成モデルの作成と検証。 ⑤本研究課題に関して、様々な成果が得られているので、ジャーナルや国際会議を中心として、成果発表にも努める。
|