研究課題/領域番号 |
22K14444
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25010:社会システム工学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
家入 祐也 早稲田大学, 理工学術院(情報生産システム研究科・センター), 講師(任期付) (60910966)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 意思決定支援 / 選好 / シミュレーション / IoT / IDSシステム / Internet of Things / IDS System |
研究開始時の研究の概要 |
選好データを用いた個々人に適した意思決定支援(Individual Decision Support , IDS)は,個の多様化が進む現在において人間中心社会を実現させる.しかし,選好データは時間と共に変化するにもかかわらず,リアルタイムに収集することが難しい.そのため従来のIDSシステムではこの変化に対応する仕組みが検討されておらず,時間経過と共にIDSシステムの精度は悪化していた.そこで本研究は,選好データをリアルタイムに収集する手法によって状況依存型IDSシステムを構築し,時間経過に伴いIDSシステムの精度が悪化するという問題の解決を目指す.
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研究実績の概要 |
選好データを用いた個々人に適した意思決定支援(Individual Decision Support , IDS)は,個の多様化が進む現在において人間中心社会を実現させる.しかし,選好データは時間と共に変化するにもかかわらず,リアルタイムに収集することが難しい.そのため従来のIDSシステムではこの変化に対応する仕組みが検討されておらず,時間経過と共にIDSシステムの精度は悪化していた.本研究の目的は,選好データをリアルタイムに収集する手法によって状況依存型IDSシステムを構築し,時間経過に伴いIDSシステムの精度が悪化するという問題を解決することである.本目的を達成すべく,当該年度では,観光地を対象フィールドとし,Internet of Things (IoT)を活用して個々人の選好データを収集する仕組みを構築した.このように収集されたデータに基づいて,観光客の感興度の時間変化(Individual Excitement Level曲線,以降IEL曲線と称する)をリアルタイムに収集することが可能になった.このように生成されるIEL曲線と皮膚電気活動(EDA)データを比較することで,IEL曲線の生成手法の質を向上させ,論文として社会発信を行った.これによって,観光の文脈における,IDSシステムの意義と可能性を示すことが出来た.また,商業地を対象フィールドとした取り組みの一環として,地域の電子化に寄らずにコミュニティベースでのマーケティングの方法論を構築し,論文として社会発信を行った.このような活動に加え,対象フィールドである商業地域の調査や関係構築を進めるとともに,商業地域の実環境データを収集するための,データ収集基盤について議論を行った.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度の研究計画は,以下の結果を統合して,当初の予定通り進捗しているといえる. 令和5年度には,前年度から展開していた個々の観光客の選好データを収集するための仕組みを構築し,実証実験を行った.実験結果の分析や,データ収集システムの評価も完了しており,研究成果の取りまとめによる社会発信も実施することが出来た.観光地のための状況依存型IDSシステム(観光客の選好に着目した観光ルート設計システム)構築に関連する実証実験も完了しており,この点においては,当初の予定よりも早く,研究課題を展開させることが出来た.一方で,商業地域をフィールドとした取り組みでは,消費者行動に着目したマーケティング手法を構築し,研究成果の取りまとめによる社会発信を実施することが出来た.しかし,状況依存型IDSシステム構築という観点からは,対象とする商業地域での実地調査を完了させた段階であり,商業地域での実証には遅れが生じてしまっている.今後,商業地域での状況依存型IDSシステム構築に向けた,実証実験の展開や散策アプリケーションの開発に取り組んでいく.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策としては,大きく以下の3点が挙げられる.一つ目としては,観光地をフィールドとした研究について,当該年度に実施した実証実験の解析を進め,観光地のための状況依存型IDSシステムの構築を実現させる.さらに,本システムの有効性を検証するために,状況依存型IDSシステムの使用有無を統制した実証実験を行う.二点目としては,実証実験の対象となる商業地域での実証実験を実施し,消費者のどのような選好が,消費行動に影響しているかどうかを明確にする.さらに,消費者と店舗の間のつながり度合いという感性情報も考慮することによって,商業地域の活性化に資する状況依存型IDSシステム構築の準備を目指す.三点目としては,当該年度の研究成果を論文としてまとめ,社会発信を行う.特に,個々の観光客の選好データを活用した状況依存型IDSシステムに関する成果をまとめ,国内論文誌と国際会議への投稿を計画している.
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