研究課題/領域番号 |
22K14448
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 京都工芸繊維大学 |
研究代表者 |
都丸 武宜 京都工芸繊維大学, その他部局等, 特任研究員 (90794149)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 群集 / 自己組織化 / 非同期 / 同期 / 歩行者 / 運動多様性 / 同期現象 / 群集歩行 |
研究開始時の研究の概要 |
歩行者の集団は、外的制御が無くとも、局所的な相互作用によって組織化する。この自己組織化の性質は、制御されないが故に群集事故へと繋がる可能性があるが、集団の運動性能向上といった利点も合わせ持つ。本研究では歩行者集団における歩行周期の自発的な同期現象に着目し、自己組織化への寄与を群集実験により明らかにし、外的統制によって個々の動きを制限するのでなく、歩行者自らがもつ自己組織化に寄与する性質を補強する自然な誘導技術への礎を築く。
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研究成果の概要 |
生物で見られる集団現象では、その秩序の特徴として個々の活動の同期が挙げられる。しかし、歩行者の集団形成と個々の歩行ステップとの関係は不明な点が多い。 本研究では、レーン形成実験を実施し、一定テンポのガイド音がない限り、歩行者の足並みは自発的には揃わないことを示した。またガイド音による歩行の同期は、歩行者らの横方向の動きを単調にし、形成される構造を脆弱にした。以上より、通常の歩行者集団では、個々が自分自身のタイミングで動くことで、壊れにくい流れを形成していることを示唆する。 本成果は、群集マネジメントや、非同期的に運動せざるを得ない自律分散型群ロボットといった集団システムの設計に資すると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果は、歩行者群集のみならず他の動物の群れ研究においても、相互作用における非同期性の重要性を提起するものである。また、集団行動の従来研究において身体を無視した点の運動として扱われてきた個体の運動を、自身の身体パーツの運動(例えばトリの羽のはばたき)による運動として捉え直すことの重要性も提起するものである。さらに、他分野への波及として非同期で動かざるを得ない自律分散型ロボットナビゲーションへの貢献が期待される。社会的意義としては、従来研究よりも現実に即した設定での歩行者間の相互作用のメカニズムを明らかにしたことで、歩行者交通マネジメントにおいて新たな知見をもたらす。
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