研究課題/領域番号 |
22K14449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25020:安全工学関連
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研究機関 | 仙台高等専門学校 |
研究代表者 |
奥村 真彦 仙台高等専門学校, 総合工学科, 助教 (30756169)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 水素吸蔵合金 / 粉体 / 凝集 / 水素貯蔵 / CT / ナノインデンテーション |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、水素吸蔵合金を使用した水素貯蔵装置を対象に、装置内の合金貯蔵容器における応力発現挙動を解明し、その応力を適切に抑制する手法を見出すことで、安全に装置を運用するための条件を明らかにする。 可逆的に水素と結合可能な水素吸蔵合金を用いると、高体積密度に水素を貯蔵する水素貯蔵装置が実現できる。しかしながら、合金は蓄えた水素の量に比例して膨張し、その容器の変形を招く。既往の研究において、強い力を受けた容器の内部には合金粒子が凝集した塊が確認されていることから、本研究では、この凝集が容器の変形に及ぼす影響を明らかにし、その知見を基に合金型水素貯蔵装置の安全な運用条件を見出すことを目的とする。
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研究実績の概要 |
2022年度には一定回数繰り返し水素を吸蔵放出させ、さらにふるい分けによって粒度を揃えたLaNi(5)を対象に単軸圧縮試験を実施し、LaNi(5)粒子群が凝集に至る圧力の条件について検討した。この検討では10回程度しか水素の吸蔵放出を繰り返していなかったため、より多くの回数水素を吸蔵放出させたLaNi(5)を調整する予定であった。しかしながら、今年度は調整のミスが続き、残念ながら十分な回数だけ水素の吸蔵放出を繰り返したLaNi(5)粒子の調整には至らなかった。 また、繰り返し水素を吸蔵放出する過程でLaNi(5)粒子が凝集するプロセスを解明することを目的に、X線コンピュータ断層撮影法(XCT)を用いて繰り返し水素を吸蔵放出するLaNi(5)充填層の充填状態をin-situで観察する予定である。今年度はXCTを用いてLaNi(5)粒子充填層の三次元像を撮像するまでは至らなかったものの、撮像にむけた準備作業を進めることができた。 さらに、LaNi(5)粒子の凝集挙動について十分な知見を獲得した後、実際にLaNi(5)粒子を反応容器に充填して水素を吸蔵放出させ、凝集を回避するように運用することが反応容器に対し合金が及ぼす荷重に及ぼす効果を実証する予定である。これについても、今年度のうちに容器に発現するひずみを評価するための実験環境をほぼ整えることができ、これを用いた予備実験も実施することができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上記の通り、十分な回数水素を繰り返し吸蔵放出したLaNi(5)の調整に手間取り、データを取得することができず、外力による凝集について十分な知見が得られなかった。一方、XCTを用いた凝集プロセスの観察については準備が進んでおり、さらにその次のステージではあるが、凝集の影響に関する実証実験の準備についても予備実験に至る程度に進んでいる。これらのことから、総じて「やや遅れている」と評価した。
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今後の研究の推進方策 |
研究期間中は仙台高等専門学校に所属して研究を遂行する予定であったが、2024年度からは産業技術総合研究所に所属となった。そのため、2024年度以降は仙台高等専門学校に設置されていた設備については活用が難しくなり、さらに2024年度は研究環境の整備に時間を割く必要が生じると予想される。 2024年度は水素を繰り返し吸蔵放出したLaNi(5)の調整と、それを用いた圧縮挙動の評価を実施し、その結果をまとめる予定である。XCTを用いた凝集挙動の観察については、観察可能性の確認を目標とする。本実験を通じて得られた結果については随時発表していく。
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