研究課題/領域番号 |
22K14455
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分25030:防災工学関連
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研究機関 | 中央大学 |
研究代表者 |
渡部 真史 中央大学, 研究開発機構, 機構准教授 (30847190)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 沿岸巨礫 / 津波 / 高波 / 沿岸防災 / 地質記録 / 波浪 / 数値計算 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,津波・高波による巨礫移動実験を行い、実験結果を再現可能な津波・高波による巨礫移動計算モデルを構築する。その後、実際に沿岸巨礫から過去の津波・高波災害の具体的な規模評価を行う。沿岸巨礫を用いた津波・高波の全球評価のために、崖地形や平地地形などの地形条件上で高波/津波の入射波を様々に変更し,数万ケースの高波/津波による巨礫移動計算を実施する。その巨礫移動計算結果を基に、巨礫の分布と地形条件のみから過去の津波/高波の浸水域や規模を推定可能な手法を新たに構築する。その後,世界各国にある巨礫と地形条件から,津波・高波の最大浸水域や規模を推定する.
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研究実績の概要 |
本年度では、津波と高波による数値計算を行い、沿岸巨礫から津波と高波の規模推定を行うために、本研究で使用する数値計算モデルの精度検証を実施した。計算対象地域は沖縄県にあるコマカ島であり、CADMAS-SURF/3D(有川ら, 2005)で3次元の波浪計算を実施し、江頭ら(1985)が観測した高波の有義波高と比較した結果、数値計算で良好に観測値を再現できることが明らかになった。また、高山(1977)の水路実験の再現計算をした結果、実験で観測された高波の砕波過程を数値計算モデルで良好に再現できることも確認できた。これらの検証から本研究課題で使用する3次元の数値計算モデルの精度を確認することができた。 また、理想地形条件上のリーフ地形、通常地形上で複数ケースの津波と高波による巨礫移動計算を実施した結果、巨礫の移動距離と地形条件、入射波条件の関係性を明らかにできた。また、この研究で巨礫が分布する地域の典型的な地形条件と巨礫の重量、寸法、密度のデータを収集することでき、本研究を遂行する上で有効なデータを入手できた。 また、巨礫に作用する波力を算出する際には、砂や泥の巻き上げが重要であるため、津波による砂と泥の移動メカニズムに関しても数値計算を用いて、検証した。その結果、数値計算モデルのパラメータ分析を行うことで、津波による砂と泥の巻き上げを精度よく計算する手法を開発することができた。 次年度以降に沿岸巨礫から津波と高波の規模推定を行う上で非常に重要な知見を得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度では、巨礫に作用する津波と高波波力を簡易的に評価する式を数値計算から導出するために、リーフ地形で波浪の数値計算を行い、その数値計算モデルの精度を確認することができた(Watanabe et al., 2023)。また、砂や泥を巻き込んだ際の津波の数値計算モデルの精度検証もでき、巨礫の津波と高波による運搬プロセスを明らかにすることができた。 これらは数値計算を用いて、沿岸巨礫から過去の津波と高波の規模推定を行うための重要な知見であり、本研究の主目的である沿岸巨礫を用いた過去の津波・高波災害の全球的な解明に大きく前進した。
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今後の研究の推進方策 |
本年度では、本研究で使用予定の数値計算モデルの精度を確認でき、津波と高波による巨礫の移動プロセスを詳細に明らかにすることができた。次年度は、世界各国分布する沿岸巨礫から過去の津波や高波の規模を推定する手法の開発を行う。 具体的には、地形条件や入射波条件などを様々に変更した理想的なリーフ地形もしくは平地地形で数値計算を行い、巨礫に作用する波力と波高を算出し、巨礫の寸法と地形条件のみから、簡易的に沿岸波高を推定する手法を開発する。また、全世界の巨礫分布を明らかにするために、既往研究のレビューを行い、全世界に分布する巨礫情報を本研究で推定した津波と高波の規模と合わせて、誰でもアクセス可能なデータベースとして無償で公開する。 次年度も学会発表と論文投稿を継続的に行い、本研究成果の公開を積極的に行う。
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