研究課題/領域番号 |
22K14472
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
松井 直喜 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (60881878)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | ヒドリドイオン伝導体 / ヒドリドイオン導電体 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒドリドイオンは高い還元性や卑な反応電位などの他の可動イオンには無い特徴を有するユニークな電荷担体である。本研究では室温近傍で優れたヒドリドイオン導電性を示す固体電解質材料の創製を試みる。探索指針として既知の超イオン導電体の構造を指標とした、構造中の空隙をアニオンが無秩序分布可能な高対称構造と、層間に可動イオンが無秩序分布可能な層状構造の指針のもと材料探索を展開する。ヒドリドイオン導電に適した骨格構造を系統的に調べ、ヒドリド駆動デバイスの応用展開の潮流を生み出すヒドリドイオン導電体の創製を試みる。
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研究実績の概要 |
構造類似性に基づくヒドリドイオン導電体の設計及び材料探索に取り組んだ。当該年度は超イオン導電体構造の効率的な同定手法を構築した。まず、酸化還元電位に基づく価数判定手法を構築した。当該手法は他の価数判定手法と比較して正答率が高く、計算速度が短時間であった。当該手法を用いることで、結晶構造中の原子を陽イオンもしくは陰イオンとして識別し、陽イオンー陰イオン間の配位数に基づき構造類似度を定義した。当該類似度を用いてクラスター解析により超イオン導電体と類似骨格を有する構造群を同定した。これらの取り組みの結果、超イオン導電体の有望骨格を同定することが出来た。一方で、既存の材料データベースはヒドリドイオンを含有する構造の登録件数が少なく、材料空間が限定的という課題が未解決であった。先述の価数判定機能を利用した、網羅的な元素置換によるヒドリド含有材料の生成及びそれらの熱力学的安定性評価の枠組みを構築した。当該手法と汎用的なポテンシャルを用いた構造最適化による構造作製スキーム作製が完了した。上記の骨格類似度の定義及びスクリーニング手法開発と並行して、超イオン導電体と同様の骨格構造を持つヒドリドイオン導電体の実験的探索に取り組んだ。三元系以上の組み合わせにおける組成空間を網羅的に合成し、bcc骨格を有する結晶相の単相領域を明らかにした。当該結晶相は比較的高いイオン伝導度を示す傾向が確認できており、今後詳細に構造・伝導度特性の相関を調べる計画である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画どおりに手法論及び材料探索が進展している。
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今後の研究の推進方策 |
23年度までに構築したイオン伝導体の構造分類アルゴリズムを活用した材料探索を展開する。
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