研究課題/領域番号 |
22K14474
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
熊谷 将也 京都大学, 複合原子力科学研究所, 特定助教 (00881054)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | マテリアルズ・インフォマティクス / 機械学習 / 材料工学 / グラフ構造 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、機械学習を用いて新規材料探索の効率化を実現するMaterials Informatics (MI)研究が注目されている。MIでは、所望の物性を有する新規材料の発見が目的となるため、一般に入力を材料情報、出力を物性と設定する。特に物性は、結晶構造に強く依存している。そのため材料情報として結晶構造を選び、結晶構造と物性との関係性を学習・解明することは学術的に極めて重要である。しかし、結晶構造を収録した大規模データが第一原理計算ベースに限られるため、利用できる物性は限定されていた。本研究では、申請者が独自開発した実験的物性データベースを利用し、実験的物性値と結晶構造との関係性を学習・解明する。
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研究実績の概要 |
本研究では、物性値と結晶構造との関係性を機械学習および解明することが目的である。今年度は、本研究における学術的問いの1つである「結晶グラフは3次元情報(原子配置など)が失われており、その失われた情報が学習や予測結果にどのような影響を及ぼすか」についての解明に向けた研究を行った。この問いを解明することで、MI分野において結晶構造の特徴化として主流となっている結晶グラフに不足している要素を明らかにでき、その上で結晶グラフの改良や結晶グラフ以外の結晶構造の新しい表現方法の開発等、様々な研究の展開が期待できる点で学術的に意義がある。 具体的には、説明変数を結晶グラフ、目的変数を元の結晶構造情報(結晶系、空間群等)とした機械学習を行った。学習データには、第一原理計算データベースMaterials Projectに収録された2018年の全データを利用した。機械学習手法には、結晶グラフを利用した代表的な先行手法であるCGCNN、およびより高精度な予測が可能な手法であるALIGNNを利用した。また、計画時点では想定していなかったが、本研究の中で新たに3次元情報を保持できる3次元の結晶メッシュの特徴化手法を提案できたため、新しい提案モデルと既存のCGCNN、ALIGNNを比較することで、結晶グラフベースの先行手法の問題点を明らかにすることに取り組んだ。 元の結晶構造情報の情報である結晶系や空間群に関する予測精度は、CGCNN、ALIGNNがそれぞれ50%~76%程度であるのに対して、提案手法は90%~98%程度と先行手法よりも高い精度であった。このことは、より三次元情報を保持した提案手法と比べて、結晶グラフをベースとする先行手法が3次元構造を少なくとも一部失っている可能性を示唆している。本研究の成果は、人工知能学会にて報告し、現在論文誌に投稿している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の予定では、結晶グラフの問題点を解明するために、結晶グラフベースの先行手法をベースに議論する予定であった。ところが、結晶構造を特徴化する新しい手法として3次元の結晶メッシュのアイデアが生まれ、先行手法との比較によって結晶グラフの問題点を当初の計画以上に議論することができた。さらに、結晶構造情報(結晶系、空間群など)に関して結晶グラフベースの先行手法よりも高精度に予測できることが確認できた。これらのことから、当初の計画以上の進展であったと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
本研究課題を進めていく中で、結晶構造の新しい特徴化手法の提案ができ、先行研究よりも精度の高い予測ができることが確認できた。これらの内容はすでに学術的価値が高いと考えられるため、次年度は今年度の内容を論文誌として投稿、および国際会議の発表を行うことを計画している。 また並行して次年度は、計画通り「結晶グラフと物性値の関係性を明らかにすること」に取り組む予定である。まずは計算可能な物性値である体積弾性率などの物性値との関係性を明らかにするとともに、その後実験的物性値との関係性まで明らかにすることを計画している。
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