研究課題/領域番号 |
22K14479
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26020:無機材料および物性関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
松尾 拓紀 熊本大学, 国際先端科学技術研究機構, IROAST准教授 (10792517)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | 強誘電体 / エピタキシャル薄膜 / パルスレーザー堆積法 / エネルギー貯蔵 / バッファ層 / 反強誘電体 / 薄膜 / エピタキシャル / 超格子 |
研究開始時の研究の概要 |
誘電体キャパシタは小型・長寿命の蓄電デバイスであり、自立型IoT機器の電源用途への可能性を秘めている.本研究では強誘電体の分極反転電荷を,電気的エネルギーとして可逆的に貯蔵・出力可能な新規強誘電体超格子薄膜キャパシタを創製し,高エネルギー密度かつ高出力密度の次世代蓄電デバイスを開発することを目指す.対称性の破れた構造を持つ3色超格子強誘電体薄膜キャパシタを作製し,原子レベルの構造設計に基づき積層周期や内部応力分布を制御することで,分極ヒステリシスのインプリント効果を誘起し,エネルギー密度の飛躍的な向上を目指す.
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研究成果の概要 |
本研究では、高エネルギー貯蔵密度の強誘電体超格子薄膜の開発に向けた、技術的基礎を構築した。高品質なペロブスカイト型強誘電体酸化物薄膜の成長に必要なバッファ層材料の探索、YAGレーザーを用いたパルスレーザー堆積法による製膜条件の最適化、および超格子の構成層となる誘電体材料の開発を行った。高品質なPt/BaTiO3/SrRuO3/(Ba, Sr)TiO3/ SrTiO3薄膜キャパシタを作製することに成功し、強誘電性に由来する明瞭な分極ヒステリシスループを観測することできた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、組成のコントロールにより自在に格子定数が制御可能な(Ba, Sr)TiO3バッファ層を開発し、その上に高品質なBaTiO3強誘電体エピタキシャル薄膜を成長することに成功した。誘電体キャパシタは長寿命かつ高速充放電が可能な素子であり、多くの電子機器に使用されている。材料設計と誘電体層の薄膜化により、さらにエネルギー貯蔵密度を増大させることができれば、次世代のエネルギー貯蔵素子としての応用が見込まれており、本研究成果は高エネルギー貯蔵密度の誘電体キャパシタの開発の設計指針となると考えられる。
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