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結合の不均一性を含む局所構造を単位とする低熱伝導率材料の設計

研究課題

研究課題/領域番号 22K14505
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分26040:構造材料および機能材料関連
研究機関国立研究開発法人物質・材料研究機構

研究代表者

佐藤 直大  国立研究開発法人物質・材料研究機構, ナノアーキテクトニクス材料研究センター, 研究員 (60896653)

研究期間 (年度) 2022-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
キーワード熱伝導 / 熱電変換材料 / フォノン / 局所構造 / 共鳴散乱 / 複合アニオン
研究開始時の研究の概要

本研究では、「結合の不均一性」というキーワードのもとに、(a)先天的に低い格子熱伝導率を示す物質群として複合アニオン化合物を開拓すること、(b)新たな格子熱伝導率低減手法としてのフォノン共鳴散乱の発生条件を明らかにすること、の2つを目標とする。

研究実績の概要

複合アニオン化合物にしばしば含まれる歪んだ局所構造とフォノン輸送との関係を明らかにすることで、新たな低熱伝導率物質群を開拓する試みを継続している。複合アニオン化合物における局所構造を、1つのカチオンに1種類のアニオンが配位したユニットが複数種類存在する場合と(homoleptic配位)、1つのカチオンに2種類以上のアニオンが配位したユニットが存在する場合(heteroleptic配位)とで区別し、主にheteroleptic配位を有する物質群における結合の不均一性とフォノン輸送との関係を調べた。局所構造の歪みを定量化する指標としてdistortion indexを導入し、局所構造内の結合強度のばらつきと強い相関を示すことが確認できた。一部の化合物群についてはdistortion indexと格子熱伝導率との間にも相関が見出すことができているため、新規低熱伝導率物質探索の指標としても有効であると考えられる。
また、欠陥導入による局所対称性の破れが引き起こす強いフォノン散乱の詳細な機構と発現条件を明らかにすることを試みた。NaCl型やカルコパイライト型結晶構造をもつ物質では、カチオンサイトへの置換元素がしばしばオフセンター位置に導入され、顕著な熱伝導率低減効果をもたらすことが実験的に確認されている。種々の化合物と置換元素の組み合わせにおいてオフセンター位置への原子導入可否をDFT計算によって判定し、その化学的条件について傾向が見えつつある。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

複合アニオン化合物の局所構造とフォノン輸送との関連については、これらを統一的に説明し得る指標の導入や、それに基づく新規な低熱伝導率物質群の開拓など一定の進捗が得られているものの、実験的検証がやや遅れている。また、欠陥導入による強いフォノン散乱の機構については、オフセンター位置への不純物原子導入が鍵となることを見出しているものの、その詳細な機構解明には至っていない。

今後の研究の推進方策

これまでに見出した新規な低熱伝導率候補物質群について合成条件を検討し、実験的検証を進める。欠陥導入によるフォノン散乱については、オフセンター位置に導入される不純物原子とその周辺環境を実空間・逆空間の両面から電子論的に考察し、オフセンター位置で安定化する機構を明らかにしたうえで、フォノン散乱への影響を考察する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 研究成果

    (6件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 1件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件)

  • [雑誌論文] Realizing High Thermoelectric Performance in N‐Type Mg3(Sb, Bi)2‐Based Materials via Synergetic Mo Addition and Sb-Bi Ratio Refining2023

    • 著者名/発表者名
      Wang Longquan、Sato Naoki、Peng Ying、Chetty Raju、Kawamoto Naoyuki、Nguyen Duy Hieu、Mori Takao
    • 雑誌名

      Advanced Energy Materials

      巻: 13 号: 35 ページ: 2301667-2301667

    • DOI

      10.1002/aenm.202301667

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Partial breakdown of translation symmetry at a structural quantum critical point associated with a ferroelectric soft mode2022

    • 著者名/発表者名
      Ishii Y.、Yamamoto A.、Sato N.、Nambu Y.、Ohira-Kawamura S.、Murai N.、Ohara K.、Kawaguchi S.、Mori T.、Mori S.
    • 雑誌名

      Physical Review B

      巻: 106 号: 13 ページ: 134111-134111

    • DOI

      10.1103/physrevb.106.134111

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / 国際共著
  • [学会発表] 多元系化合物の特異な熱輸送と熱電特性2024

    • 著者名/発表者名
      佐藤直大
    • 学会等名
      第71回応用物理学会春季学術講演会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] Intrinsicaly low lattice thermal conductivity of mixed-anion compounds with bonding heterogeneity2023

    • 著者名/発表者名
      Naoki Sato, Takao Mori
    • 学会等名
      The 39th Annual International Conference on Thermoelectrics
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] 平面配位鎖状構造を含む層状物質In2Te5の化学結合と異方的熱伝導率2023

    • 著者名/発表者名
      佐藤直大, Wenhao Zhang, 飛田一樹, 木村薫, 森孝雄
    • 学会等名
      第20回日本熱電学会学術講演会(TSJ2023)
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Handling anomalous thermal transport towards high-performance thermoelectrics2022

    • 著者名/発表者名
      N. Sato, Z. Liu, W. Gao, N. Tsujii, T. Mori
    • 学会等名
      WPI-MANA International Symposium 2022
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

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公開日: 2022-04-19   更新日: 2024-12-25  

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