研究課題/領域番号 |
22K14514
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
刈屋 翔太 大阪大学, 接合科学研究所, 助教 (10912727)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | チタン / 積層造形 / 固溶 / 集合組織 / チタン合金 / 力学特性等方化 |
研究開始時の研究の概要 |
レーザー粉末床溶融結合法により作製したTi-6Al-4V合金積層造形体において,エピタキシャル成長により形成される強い異方性を持つ柱状晶組織の形成を抑制し,ランダムな結晶配向性を有する微細な等方的集合組織形成のもとで力学特性の等方化と高強度・高延性化を達成する.そのために急冷凝固過程における配向性決定機構におけるTiC添加微粒子の役割に着目し,本組織の形成挙動を理解する.
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研究実績の概要 |
本研究では,従来強配向を示すとされてきたチタン積層造形合金について,固溶原子および冷却速度制御により,集合組織を微細化・ランダム化し,強度延性特性の向上の実現を目的としている.本年度は固溶原子の影響に着目して取り組んだ.酸素および窒素,炭素といった元素は,侵入型固溶元素であり,少量であっても強度に及ぼす影響は大きい.これらの固溶に伴って,液相と固相の共存相が拡大されるため,これにより集合組織の微細化が実現可能と考え,これらが積層造形合金の組織形成に及ぼす影響を解明すべく,これらを添加した複合粉末について積層造形を行った.その結果,固溶元素の導入に伴って集合組織,変態後のα-Ti結晶粒が微細化する傾向が確認できたが,その配向性に変化は確認されず,目的とした組織形成は達成できなかった.これは,凝固速度が溶質原子の拡散速度よりも大きく,溶質原子の分配に伴う液相と固相の二相組織の安定化が達成されなかったためと考えられる.次年度は,もう一方の冷却速度による集合組織制御について取り組む.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
期待していた固溶原子の導入に伴う集合組織の微細等軸化は達成できなかった.そのため,集合組織制御を前提とした高強度高延性化機構の解明に着手できず,その点において遅れが確認されている.一方で,凝固速度制御については,従来考えていた予備加熱による凝固速度の減少だけでなく,造形ステージの冷却による凝固速度の増加方向の制御も実現できる目途がついた.その点について準備に時間を要したために計画が遅れたことは否めないが,研究のさらなる発展が見込める.
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今後の研究の推進方策 |
酸素固溶チタン合金で確認された従来にない変形モードは,汎用Ti64合金を含む他のチタン合金でも起きていると考えられる.これは,積層造形合金の強度特性を理解するために重要な要素であり,より一般化した現象としてその解明に取り組むことを考えている.
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