研究課題/領域番号 |
22K14517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26050:材料加工および組織制御関連
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
松林 康仁 国立研究開発法人産業技術総合研究所, エレクトロニクス・製造領域, 主任研究員 (20835938)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | セラミック / 機械特性 / 塑性変形 / 酸化物 / 熱伝導率 |
研究開始時の研究の概要 |
一般的に金属はやわらかく大きく変形することができる。一方でセラミックは硬く、大きな変形が生じる前に亀裂が進展し、破壊が生じてしまうため、室温では大きく変形させることが難しい。もし金属のように変形できるセラミックがあれば、複雑な形状の部材をセラミック単体で作製でき、金属と比べ耐熱性、耐腐食性に優れた部材の開発が可能となる。本研究ではそのような加工しやすいセラミックの設計指針を明らかにすることを目指す。
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研究実績の概要 |
一般的にセラミックは、金属と比べて硬く加工が難しい。ナノメートルスケールの微細試験では常温で塑性変形を示すもののバルク応用は困難であった。本研究の目的は単結晶へのナノインデンテーションにより、酸化物における不純物ドープによるキャリアドープが常温の塑性変形にもたらす影響を明らかにすることである。 今年度は昨年度に引き続きキャリアドープしたペロブスカイト型酸化物の機械特性の測定を行い、より詳細に物性値の変化を検討した。転位の生成が始まる応力や硬さ、弾性率においても変化が生じることを明らかにした。 セラミックの塑性変形により、ナノ結晶化が生じる常温衝撃固化と呼ばれる現象がある。それを活用した製膜手法であるエアロゾルデポジション法によって作成したナノ結晶アルミナ膜の熱伝導率に着目し、その熱伝導率が小さい粒径と比べて大きいことを明らかにした。絶縁放熱基板として、機械変形により作製されたナノ結晶アルミナ膜が応用できることを示し、論文誌に発表した。 昨年度発見し、構造解析を行った新規酸化物において、電子状態計算を行い、そのイオンの配位構造が得意であることを確認した。今後の酸化物設計の指針に関わる重要な発見である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
セラミックの機械変形のキャリアドープの影響について結果が得られているほか、そこから派生したナノ結晶膜の熱伝導率に関する重要な結果も報告しており、おおむね順調に進展していると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
ペロブスカイト型酸化物の機械特性に関する結果を論文化することを最優先に進める。また、昨年度発見した新規酸化物についても論文にまとめる。機械変形のキャリアドープ効果について、ペロブスカイト型酸化物以外の酸化物についても実験を行い、一般性を確認する。
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