研究課題/領域番号 |
22K14522
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分26060:金属生産および資源生産関連
|
研究機関 | 名古屋大学 (2023) 京都大学 (2022) |
研究代表者 |
勝部 涼司 名古屋大学, 工学研究科, 講師 (10839947)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
|
キーワード | ハイエントロピー合金 / 鋳造材料 / その場観察 / 能動学習 / 状態図 |
研究開始時の研究の概要 |
ハイエントロピー合金(HEA) は、鋳造・均質化熱処理を施すだけで優れた強度・延性バランスを示すことから次世代の鋳造材として期待できる。しかし、「多元系状態図の中央付近の組成」という特徴のために、組織観察と状態図へのプロットで構成される伝統的な鋳造合金の設計スキームで取り扱うことが難しく、多元化によってもたらされた組成自由度を十分に活用した材料開発は行われていない。本研究では放射光を用いたその場分析と機械学習の一種である能動学習の手法を取り入れることで、HEAのような多元材料に適した形に合金設計スキームを再構築する。さらにそのスキームに基づき、鋳造材に適したHEAの提示を目指す。
|
研究成果の概要 |
等原子比近傍の組成を有する多元合金であるハイエントロピー合金 (HEA) は新しい設計思想に基づく合金系として注目を集めているが,従来の合金研究の基本であった凝固後の組織観察と状態図へのプロットのみにより組織形成過程を理解することは困難である.本研究では,放射光X線をプローブとするその場計測と機械学習分野で用いられる回帰手法を活用した独自の組成・プロセス設計スキームにより,凝固の観点から魅力的なHEAを創出することを目的とした.研究の結果,一致溶融に近いCr-Mn-Fe-Co-Ni合金や,1300℃以上で起こるBCC-FCC変態を活用した低偏析・微細組織Cr-Mn-Fe-Co合金を見出した.
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
文明の発展とともに,社会を支える材料に求められる機能や特性は高度化・複雑化しており,それに答えるために多元素化が進んでいる.多元材料の組成空間はもはや人間の知覚の範疇を超えているため,機械学習分野の知見を利用によってHEAの全組成域から材料探索した本研究は,今後の金属材料研究のマイルストーンとして学術的意義がある.さらに,本研究の成果として典型的なHEA系であるCr-Mn-Fe-Co-Ni系の一致溶融組成や固相変態を利用した微細組織・ミクロ偏析フリー合金を見出しており,これらの機械特性に有用性が認められれば社会的波及効果も見込める.
|