研究課題/領域番号 |
22K14527
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27010:移動現象および単位操作関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
廣森 浩祐 東北大学, 工学研究科, 助教 (80828062)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 反応速度論 / プロセスシステム工学 / 吸着 / 量子化学計算 / 速度論 / 吸着プロセス / マルチスケール計算 / 自由エネルギー |
研究開始時の研究の概要 |
吸着プロセスは、微量成分の除去、目的物の濃縮、多成分分離など多様な系で用いられる。これまで、廃水処理や脱色などの微量成分除去用途という希薄系において、単分子吸着理論あるいは経験式に基づくプロセス設計が実施されてきた。一方、近年、用途の多い濃縮回収では多分子層の吸着が生じるものの、その挙動を理論的に予測する手法はない。 本研究では、濃縮回収プロセスを自在に設計できる吸着理論の確立を目指す。具体的には、多分子層吸着量の駆動力を吸着剤と吸着質との相互作用と、吸着質同士の相互作用に分解し、各々を計算化学によるデータと相関することで理論化を図る。
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研究実績の概要 |
多層吸着現象を利用した分離プロセスの効率的な設計手法の確立を目的とし、実験なしでプロセス設計に必要なモデルパラメータの推算法の確立を目指した。 本研究では、3つの成分が関与する競争吸着現象を対象として、以前の研究で実験結果とのフィッティングで得られたモデル定数の推算値を計算化学により吸着現象に関与する成分に固有の物性から推算可能かどうかを検討した。本年は、3種類9個あるうちのモデル定数のうち、速度論に関する1種類3個の推算を試みた。昨年度検討した、吸着現象の前後における系内の自由エネルギー変化に加え、遷移状態の分子状態を推算するため、量子科学計算によるアプローチで吸着速度定数の推算を試みた。 また、昨年度に推算を試みた平衡定数については、本年度に推算を試みた速度低位数を用いて算出した。そして、平衡定数の推算法については、どちらの手法がより好適であるのかを、シミュレーションと実験結果の比較から検討したところ、平衡的に推算する手法のほうがより適したモデル定数を推算できることを明らかにした。 推算したモデル定数と、昨年度検討した平衡に係るモデル定数の推算値を用いて、既に構築している吸着充填塔の設計に関するモデルのシミュレーションを実施したところ、吸着充填塔の応答試験曲線を良好に表現できることが明らかとなった。さらに、本モデルシミュレーションを用いて、装置の設計を試みたところ効率的に分離が実施できる吸着との設計が可能であることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の予定通り進捗しており、一部来年度に予定していた計画に取り掛かり始めた部分もある。
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今後の研究の推進方策 |
本年度得られたモデルパラメータを用いて、吸着プロセスの設計を実施する。そして、設計したプロセスによる吸着分離実験の計算結果と実験結果を比較することで、外挿計算を実施し、実験なしでの定量的なパラメータの推算がどの程度実施できているのかを評価する。 評価結果を受けて、さらに高精度にモデルパラメータの推算を可能にする必要性および改善点を明らかにする。
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