研究課題/領域番号 |
22K14536
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27020:反応工学およびプロセスシステム工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
浅野 周作 九州大学, 先導物質化学研究所, 助教 (30827522)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 自動実験 / 速度解析 / 不均一触媒 / フローリアクター / 選択性制御 |
研究開始時の研究の概要 |
水素化反応は、高付加価値化成品の製造に重要性である。含窒素化合物を触媒毒として混入させると、水素化における選択性を向上できるが、触媒毒構造との関係や、その作用機構は明らかになっておらず、利用は限定的である。本研究では、壁面触媒担持型のフローリアクターを用い、種々の触媒毒について、完全に自動化した水素化反応実験を行う。それらに基づき、反応系ごとに最適な触媒毒の構造を導出することを目指す。
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研究実績の概要 |
アルキンからアルケンを合成する部分水素化反応において、Pd触媒上で、キノリンなどの含窒素化合物を添加することで選択性が向上することが、古くから知られている。しかしながら、その作用機構や最適な添加剤については未解明であった。添加剤を用いる不均一触媒反応は、関連するパラメーターが膨大となり、体系的な検討が困難であるためである。 今回、第一年度の研究成果として、Pd触媒を壁面に塗布したチューブをフローリアクターとして用い、送液やサンプリングに用いるポンプやバルブを自動制御することで、その問題を解決した。分析はオフラインで行ったが、GC条件を最適化することにより、迅速な試験が実施できた。21種類の添加剤を用いた352におよぶ反応条件について、物質移動の影響を排除した条件下での体系的な試験に成功し、数々の興味深い結果を得た。例えば、フェナントロリンが、一般的な添加剤よりもはるかに効率よく働くことが明らかになった。また、反応の初期段階では添加剤が反応速度を低下させるが、終盤ではむしろ高速化させるなど、非常に興味深い現象も見出された。作用機構については、添加剤がPd触媒の不規則表面を被覆し、生成物の不規則表面への吸着を抑えていることを、第一原理計算を援用して提案した。 この研究成果は、古典的な反応について、新たな装置と視点から切り込み、学術的にも工学的にも意義深い知見を得たものと評価され、反応工学分野の国際学術論文誌であるReaction Chemistry & Engineering誌に掲載された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
すでに装置構築、運用を終え、成果が国際学術誌に掲載されたため。
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今後の研究の推進方策 |
第三成分として触媒毒を入れる以外にも、反応原料そのものが触媒に作用して、反応選択性や反応速度を変化させる現象を見出した。第二年度は、こちらの現象により注目し、吸着測定や速度解析の研究を展開する。
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