研究課題/領域番号 |
22K14546
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分27040:バイオ機能応用およびバイオプロセス工学関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
相馬 悠希 九州大学, 農学研究院, 助教 (80781955)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2022年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
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キーワード | 合成生物学 / 代謝工学 / 進化工学 / 細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
微生物を用いたバイオプロセスによって様々な有用化成品生産を目指すバイオリファイナリー研究が発展してきた.より効率的で実用的なバイオプロセスを実現するためには,副産物を削減するとともに,「細胞構成要素」の削減も必要な段階にあり,目的化合物生産のために微生物代謝の絶対的な容量を開放・拡張する必要がある.本研究では,複合多階層オミクス解析を駆使して,代謝絶対容量を圧迫している「高発現・低活性」な内在性代謝酵素群を明らかにし,これらを「低発現・高活性」な酵素変異体群で代替する.この際,共依存型の代謝シェアリングによって安定増殖する「人工合成細菌叢」による活性スクリーニング系を構築する.
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研究成果の概要 |
本研究では,「相利共生型の人工合成細菌叢」の増殖速度を選抜指標とする革新的酵素スクリーニング法の開発に取り組んだ.単独では増殖できない遺伝子欠損株同士が代謝物を相互供与することで増殖可能となる相利共生型の人工合成細菌叢を構築した.この様な細菌叢では,代謝物の相互供与の活性が高いほど細菌叢全体が「共増殖」する速度が高くなる特性があるため,代謝物の相互供与に寄与する酵素の活性の優劣を,細菌叢の「共増殖速度」で評価できる.いくつかのモデル細菌叢で代謝物相互供与を担う代謝酵素にランダム変異を導入した結果,野生型の細菌叢を上回る共増殖速度を示す変異型の細菌叢を獲得し,実際に酵素活性の向上が確認された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酵素進化工学において効率的に高活性酵素を獲得するには,全変異体数に対するスクリーニング系の網羅性とスループットが十分に高いことが求められる.本研究では,微生物培養液の濁度を計測するだけで簡便に標的酵素の活性を疑似的に評価する手法を開発した.これにより,プレートリーダーなどの既存設備を使用して省力・省コストでハイスループットな酵素活性スクリーニングを実現した.また,微生物の相利共生における代謝物の相互供与に関与する各種パラメータ (酵素活性・酵素発現量・菌体量比・供与代謝物利用における化学量論,等) を精密にコントロールすることで,菌叢としての表現型に与える影響を精細に解析することに成功した.
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