研究課題
若手研究
本研究では抗体医薬を世界のどこでも利用できるようにするため、オレイン酸ミセルの相転移を利用した抗体安定化法の確立を試みる。研究代表者が体系化しつつあるオレイン酸ミセル相転移現象の添加剤制御法を基に、抗体溶液中で外部刺激を優先的に吸収するミセル材料(ナノ保冷剤)を開発する。その後ヒト抗体の一種であるIgGと混合・安定能を調査し、最も安定能が高い材料に対して、実用化されたヒト抗体医薬であるリツキシマブを対象にした安定化を試みる。「ナノ保冷剤」という新規コンセプトによって、高濃度抗体医薬溶液の安定化を達成し、最先端治療薬を全世界に公平に供給するための基盤を築く。