研究課題/領域番号 |
22K14591
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29010:応用物性関連
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研究機関 | 東北大学 (2023) 福島工業高等専門学校 (2022) |
研究代表者 |
千葉 貴裕 東北大学, 学際科学フロンティア研究所, 助教 (90803297)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スピントロニクス / トポロジカル絶縁体 / ポラリトン / マグノン / 超強結合 / トポロジカル物質 / エキシトン / 量子情報 |
研究開始時の研究の概要 |
次世代情報処理技術として、電子スピンの向きを制御することで高速かつ低消費電力にて情報を処理できる「スピントランジスタ」の実現が待望されている。本研究では、トポロジカル絶縁体の二表面におけるエキシトンを情報担体としたスピントランジスタの創生、並びに、その基礎学理を構築する。このエキシトンは、スピンをもった中性量子として振舞うことから、光による効率的なスピン方向の制御と低散逸な信号処理が期待される。
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研究実績の概要 |
エキシトンのスピントデバイスへの応用を目的として、三次元トポロジカル絶縁体(3DTI)ヘテロ接合における界面状態に関して研究を行った。3DTIは物質内部が絶縁体であるが表面は電子構造のトポロジーによって保護されており、高速かつ低散逸で電気を流すことができる。さらに注目すべき特性として、表面に電気を流すことでスピンが生じる「スピン運動量ロッキング」と呼ばれる性質がある。この性質により、3DTI表面ではスピンをもったエキシトンとして振舞うことが期待される。エキシトンのスピンを情報担体として利用するためには、その量子状態を自在に制御できる必要がある。マクロには中性粒子とみなせるエキシトンのスピンが光(電磁波)を用いてどのように操作できるか、その機構は非自明である。そこで、まずスピンエキシトンと類似するマグノンに関して数理モデルを構築し、光と結合した量子状態(ポラリトン)の時間発展をシミュレーション等に取り組んだ。 3DTI/磁性絶縁体のヘテロ接合における光子とマグノンのポラリトンを室温下で安定して実現するための理論を構築した。3DTIの強いスピン緩和に起因したスピンポンピング効果により、コヒーレント結合の他に同期的な散逸結合が生じることを見出した。一方で、ポラリトンの時間発展シミュレーションから超強結合に相当する巨大な結合強度を得た。これにより定量的には同系でのポラリトンの安定性への影響は十分小さいことがわかった。今後、共振器スピントロニクス技術への展開が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スピンエキシトンと類似するマグノンに関して数理モデルを構築し、光と結合した量子状態(ポラリトン)の時間発展をシミュレーションできた点において一定の成果が得られたものと考えている。以上の点を踏まえて、本課題はおおむね当初の計画通りに進展しているとした。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究では、構築したマグノンのポラリトンの理論をレーザーなどの発振デバイスへ応用を試みたい。また、トポロジカル物質表面におけるエキシトンと光が結合したポラリトンの時間発展シミュレーションも検討する。
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