研究課題/領域番号 |
22K14603
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分29020:薄膜および表面界面物性関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
宮澤 佳甫 金沢大学, フロンティア工学系, 助教 (40845525)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
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キーワード | 原子間力顕微鏡 / カーボンナノチューブ / 染色体 / 探針 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,ヒトの染色体の3次元立体構造を非染色かつ低侵襲でナノスケール計測することができる3次元原子間力顕微鏡(3D-AFM)を開発する.直径30nm以下,長さ500 nm以上の超高アスペクト比のカーボンナノチューブ(CNT)探針を開発し,厚みのある染色体の内部にCNT探針を直接挿入して染色体内部で探針が受ける相互作用力の3次元分布を取得することにより、従来は困難であった染色体の3次元ナノスケール立体構造計測を実現する.開発した3D-AFMにより,染色体のナノレベルの構造を捉え,がんや先天性疾患・不妊症の原因となるナノレベルの染色体異常の形成メカニズムの理解に貢献できることを実証する.
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研究成果の概要 |
本研究では、液中原子間力顕微鏡(AFM)で用いるためのカーボンナノチューブ(CNT)探針を開発し、CNT探針でヒトの染色体の表面と内部を3D-AFM計測することで、従来のAFMでは困難だった染色体の3次元立体構造を可視化することに成功した。また、開発したCNT探針を用いてDNAの液中観察を行い、従来のDNA観察で問題となっていたDNAの見かけ上の形状の膨潤の問題が解消され、直径2 nmのDNAの形状をとらえつつDNA表面のらせん構造を同時に観察することに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、従来のAFMでは困難であった生体試料の内部計測が可能となり、本研究で用いた染色体だけではなく、細胞核、ゴルジ体、ミトコンドリアなどの各オルガネラの液中3次元計測の可能性が拓かれた。これは、液中AFMの応用可能性を大きく広げる成果であり、液中AFMが生物学や医学・薬学などの各分野に普及し、生体試料に関するナノレベルの新たな構造・力学情報に関する知見を与えることが期待される。
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