研究課題/領域番号 |
22K14614
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分30010:結晶工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
市川 修平 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (50803673)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 窒化物半導体 / 時間分解 / 光電子分光 / フォトルミネッセンス / カソードルミネッセンス |
研究開始時の研究の概要 |
次世代の光・電子デバイス応用が期待されている窒化物半導体は、ヘテロ構造界面や試料表面における非輻射再結合過程が起因となり、素子の高効率化が妨げられている等の多くの課題を有している。本研究課題では、窒化物半導体光素子に対して、従来から行われてきた発光分光分析に加えて、励起状態に対する紫外光電子分光分析を融合した新奇評価手法を開拓することで、「半導体中に形成される電子状態と励起キャリア挙動の相関」を時空間分解的に明らかにする。これまで望まれながらも未実現であった、分野横断的な本手法を用いることで、次世代光半導体中のキャリアダイナミクス制御にむけた指針を得ることを目的とする。
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研究実績の概要 |
本研究では、次世代光デバイス用材料として注目されている窒化物半導体に対して、発光分光分析に加えて、励起状態に対する紫外光電子分光分析を融合することで、表面キャリアダイナミクス評価に有用な新奇評価手法を開拓することを目的としている。 前年度までに、励起光源となるポンプ光としてフェムト秒Ti:Sappレーザの第二高調波(波長400 nm)を用い、第三高調波(波長267 nm) を光電子放出のためのプローブ光として試料に照射する時間分解二光子光電子分光測定(Tr-2PPE)系を立ち上げた。室温下で非輻射再結合が支配的であり、バンド間遷移による発光が殆ど得られないInGaN量子井戸においても、Tr-2PPE測定の適用が可能であることを確認した。 最終年度では、InGaN薄膜表面でのキャリア寿命をTr-2PPE法により評価した。上記光学系を使用してas-grownの (0001) InGaN薄膜(In組成14%)表面におけるTr-2PPE減衰曲線から、3.8 nsと極めて長いキャリア寿命が見積もられた。この表面キャリア寿命は、GaAs (110)表面で観測された寿命よりも2桁程度長く、bulk InGaNの非輻射再結合寿命と同程度の値であった。この結果は、(0001) InGaN の表面再結合速度が、 GaAs (110)における表面再結合速度に比べて著しく遅く、キャリアの再結合経路が表面準位でなく他の欠陥準位によって支配されていることを示唆している。(0001) InGaN表面にCsを吸着させることで、上向きの表面バンドベンディングの抑制を試みたところ、キャリア寿命は48 psにまで劇的に減少し、表面再結合の影響が顕著に観測されるようになった。これらのことから、今後の窒化物系半導体の素子微細化時における表面再結合過程制御の鍵は、表面バンドベンディングの制御にあることを見出した。
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