研究課題/領域番号 |
22K14629
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分31010:原子力工学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
永田 光知郎 大阪大学, コアファシリティ機構, 技術職員 (10806871)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2022年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
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キーワード | ラジウム / アルファ線 / バリウム / 核医学 / アルカリ土類金属 / クラウンエーテル / 放射化学 / 安定度定数 / 環状分子 / 放射性同位元素 |
研究開始時の研究の概要 |
α線を利用したがんを破壊する治療法は極めて高い効果を与える。α線放出核種であるRa-223は、がん治療薬として既に国内の病院で患者に投与されている。一方、Ra2+に適合するキレート配位子が無いために、Ra-223は塩化ラジウムとして用いる以外の方法が無い。本研究では、応募者の培った有機配位子及び錯体合成の技術を駆使して、Ra2+のような巨大カチオンに対して非常に選択性の高い三次元籠状骨格を持ち、生体内でも安定にRa2+を閉じ込めるキレーターの合成を行う。また、それを用いてRa錯体を合成し、その熱力学的安定性ならびに生物学的安定性も評価する。
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研究成果の概要 |
本研究では生体内でも安定なラジウム錯体を合成するための新規配位子の開発に取り組んだ。ラジウムはアルファ線を用いた放射線治療において高いポテンシャルを有する放射性同位元素である。それを有効活用するためには錯体化する必要がある。しかし、その錯体の安定性が非常に低いため取り扱いが困難である。そこで、ラジウムを捕捉するための籠の形をした分子を新たに設計し、ラジウムと同族のバリウム錯体を中心に合成し、その安定性評価を行った。開発当初に想定した通りの結果とはならなかったが、新たな配位子設計の指針を見出すことができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はアルカリ土類金属イオンのような水溶液中で、通常は陽イオンの状態でしか取り扱えないイオンを錯体化することにより、分子性化合物として取り扱うための方法論の開発である。また、現在、放射線治療で非常に高い効果が見出されているアルファ線を用いた核医学の分野においては、その根幹を支える基礎研究である。現在はまだ、生体内で利用可能なラジウム錯体を合成する配位子の開発はできていないが、今後、改良した配位子の開発を行なっていく。
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