研究課題
若手研究
本研究では,古生代~現世の貧酸素環境で形成した堆積物を対象に,レアメタル濃度と堆積物中でのレアメタル元素の存在形態に関する情報を取得し,その結果から推定される海洋の酸化還元状態や主要なレアメタルのホスト相・化学種などを制約条件に海洋から堆積物への元素沈積フラックスモデルを構築する.これにより,レアメタル濃集を支配する真に重要な過程は何か,どのような環境条件が揃うと資源と呼べるレベルまで元素が濃集するのかを定量的に検証することで,貧酸素環境における堆積性レアメタル鉱床の成因を明らかにする.最終的に,上で明らかにした資源生成の必要条件を満たす有望な地質体を新規探査の候補として提案することを目指す.
本研究は,古生代~現世の貧酸素環境で形成した堆積物を対象に,レアメタル濃度と堆積物中でのレアメタル元素の存在形態に関する情報を取得し,その結果から推定される海洋の酸化還元状態や主要なレアメタルのホスト相・化学種などを制約条件に海洋から堆積物への元素沈積フラックスモデルを構築する.これにより,レアメタル濃集を支配する真に重要な過程は何か,どのような環境条件が揃うと資源と呼べるレベルまで元素が濃集するのかを定量的に検証することで,貧酸素環境における堆積性レアメタル鉱床の成因を明らかにする.令和4年度には,レニウム (Re) 濃度測定とX線吸収微細構造 (X-ray Absorption Fine Structure, XAFS) 測定を行う試料の選択に加え,XAFSを行う上で必要となる文献調査,さらに一部追加で入手した試料に対し誘導結合プラズマ質量分析法 (Inductively Coupled Plasma Mass Spectrometry, ICP-MS) を用いた主要・微量元素濃度分析を行った.ODP Site 1207 (Shatsky Rise) とイタリアGorgo a CerbaraセクションのOceanic Anoxic Event (OAE) 1aのサンプルについて分析を行った結果,他の貧酸素環境で形成した堆積物と比較しCo, Ni, Cu, Zn, Moなど元素が濃集していることが明らかになった.これらは有機物と特に親和性の高い元素であり,これらの元素の濃集はOAEの堆積物に見られる特徴の一つと考えられる.
2: おおむね順調に進展している
本研究の目的を達成するための準備段階である,試料の選定と追加試料に対するICP-MS分析などが進められているため.
今後は実際にRe濃度分析とXAFS測定を行い,Reを含めたレアメタル元素濃度と堆積物中でのレアメタル元素の存在形態に関する情報を取得する.それらの結果から,推定される海洋の酸化還元状態や主要なレアメタルのホスト相・化学種などを制約条件に海洋から堆積物への元素沈積フラックスモデルの構築を進める.
すべて 2023 2022
すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (7件) (うち招待講演 1件)
Journal of Asian Earth Sciences
巻: 241 ページ: 105480-105480
10.1016/j.jseaes.2022.105480
Economic Geology
巻: -
Global and Planetary Change
巻: 216 ページ: 103920-103920
10.1016/j.gloplacha.2022.103920