研究課題/領域番号 |
22K14644
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野嶋 優妃 筑波大学, 数理物質系, 助教 (90756404)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 脂肪酸単分子膜 / 和周波発生分光 / ヘテロダイン検出 / エアロゾル表面 / 大気化学反応 |
研究開始時の研究の概要 |
気候に大きな影響を与えるエアロゾルの生成過程において気液界面は重要な役割を担っている.エアロゾル表面は脂肪酸単分子膜で覆われているが,その界面に分子レベルの不均一性が存在することが示唆されており,それがエアロゾル界面での反応気候に影響を与えている可能性がある.本研究では界面選択的な手法である和周波発生分光を,エアロゾルのモデル系である空気/脂肪酸水溶液界面に適用し,その界面に存在する不均一性とはどの様なものか,そして界面で化学反応が進行する時にその構造がどの様に変化するかを評価することで,大気化学と基礎物理化学を関連づけることを目指す.
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研究成果の概要 |
エアロゾルは気候や人体の健康に大きな影響を与える物質であり,その生成過程において気液界面や固液界面が重要な役割を担っている.エアロゾル表面のモデルである脂肪酸単分子膜/水界面における脂肪酸疎水鎖の配向をヘテロダイン検出和周波発生分光で評価した.得られたスペクトルから脂肪酸疎水鎖の水/空気界面における配向性を見積もったところ,純水溶液では脂肪酸の炭素数が奇数のものは偶数のものより配向性が低くなるという偶奇性が観測された.界面における脂肪酸の分布数はカルボキシル基のプロトン解離によって変化するので,酸性およびアルカリ性の水溶液についても配向性を見積もったが,明確な偶奇性は見られなかった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
海洋エアロゾルを覆う有機酸の膜として,パルミチン酸(炭素数16)やステアリン酸(炭 素数18)などのノナン酸よりも炭化水素鎖が長い脂肪酸に関する研究は数多く報告されてい るが,ノナン酸のように溶液界面で Gibbs膜を形成する脂肪酸の微視的構造に関する報告はまだ少なく,基礎的なデータも十分 に揃っていない.ノナン酸をはじめとする炭素数9から12の脂肪酸は香料などにも利用され るため,これらの脂肪酸の水溶液界面における微視的構造について調べることで,大気化学 に限らず,工業分野にとっても有益な情報を提供できる.
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