研究課題/領域番号 |
22K14647
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
唐島 秀太郎 京都大学, 理学研究科, 特定助教 (40890926)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 光電子分光 / 光反応ダイナミクス / フェムト秒レーザー / 超高速光電子分光 / 反応ダイナミクス / 極端紫外光 |
研究開始時の研究の概要 |
DNA/RNAの光受容部分である核酸塩基の光反応ダイナミクスの研究は、生命科学・物理科学の両面において重要である。本研究では水溶液内における核酸塩基や誘導体の超高速光化学反応について時間分解光電子分光法で研究する。検出光に極端紫外光を応用することで、従来の実験では検出不可能であったエネルギー領域まで観測し、ππ*状態に励起された核酸塩基の緩和過程の全体像を捉えることを目指す。
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研究成果の概要 |
溶液中における核酸塩基分子と、その誘導体の光反応ダイナミクスを極端紫外光電子分光法によって研究したところ、ピコ秒スケールで電子励起状態を保つのは多くとも数十%程度の割合で、ほとんどは電子基底状態に速やかに緩和することが示された。また孤立分子状態の分子に対しても研究を行い、気相状態での反応ダイナミクスに関しても知見を得た。ウラシル・チミン(5-メチルウラシル)・6-メチルウラシルの比較実験からは、5位の炭素原子への配位の有無が効率的な電子緩和機構に重大な影響を及ぼすことが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
DNAやRNAの光化学反応は損傷や変異といった生命維持への脅威につながるため、光を吸収するアンテナ的役割を担う核酸塩基分子の光反応ダイナミクスの解明は非常に重要である。従来とは異なる実験手法(極端紫外光電子分光法)で研究することで、光反応過程における各電子状態の電子束縛エネルギー推移や反応収率を明らかとした。一方で過渡吸収分光法による過去研究結果との間では、反応収率において一部整合していない点も見られた。今後も検討・議論を重ねることで、核酸塩基分子の光反応機構の解明に向けて研究のさらなる発展が望まれる。
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