研究課題/領域番号 |
22K14653
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分32010:基礎物理化学関連
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研究機関 | 分子科学研究所 |
研究代表者 |
西田 純 分子科学研究所, メゾスコピック計測研究センター, 助教 (10907687)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 近接場分光 / 超高速分光 / 赤外分光 / 有機鉛ペロブスカイト / 時空間ダイナミクス / 励起子 / 超高速赤外ナノ分光 / キャリア / 近接場光顕微鏡 / 遷移金属ダイカルコゲナイド / カーボンナノチューブ / 電子格子相互作用 / 励起子ダイナミクス / カーボン系ナノ材料 / 電子-格子相互作用 |
研究開始時の研究の概要 |
有機鉛ペロブスカイトでは、電子が周囲の格子と相互作用をし、まわりの格子を大きくゆがめるポーラロンを形成することが、その特異な光電応答の鍵と考えられている。本研究では、高い時間分解能と空間分解能を併せ持つ最先端の超高速近接場光顕微鏡を用い、結晶端や原子欠陥における電子や励起子の生成・緩和過程を観測することで、有機鉛ペロブスカイト結晶中の電子-格子相互作用のダイナミクスを実時空間で解明することを目指す。
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研究成果の概要 |
有機鉛ペロブスカイトにおける光電応答の空間的不均一性の起源となるダイナミクスを理解することを目指し、本研究ではキャリアや励起子の局所密度に敏感な赤外散乱走査型近接場光顕微鏡に基づいて、高感度な超高速赤外ナノイメージングを開発した。これを多様な低次元物質に応用し、可視光励起による近接場散乱場の変調を0.01%程度の感度で検出できることを示した。さらにこの手法を剥離された単結晶の二次元ペロブスカイトへと応用し、赤外過渡信号を~50nmの空間分解能と~150 fsの時間分解能で観測した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
開発した超高速赤外ナノイメージング法は多様な光半導体におけるキャリアダイナミクスの不均一性を明らかにするのに十分な分解能と感度を示していることが分かった。これによって、特に低次元物質などの大きな表面体積比を有する物質群で、基板や周囲との相互作用、また端状態によって誘起されるキャリアや励起子の空間的不均一性を明らかにするための一般的な手法を確立したと考えている。さらに真空剥離後に保護膜を蒸着した二次元ペロブスカイト結晶中で励起子ダイナミクスの不均一性が観測されており、結晶端などでの挙動を今後詳しく理解することで、励起子と格子の相互作用が時空間ダイナミクスに与える影響が明らかになると考えている。
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