研究課題/領域番号 |
22K14668
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33010:構造有機化学および物理有機化学関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
西村 涼 立教大学, 理学部, 助教 (00908634)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | フォトクロミズム / ジアリールエテン / 有機結晶 / 光セルフヒーリング / 機械刺激 / 光セルフヒーリング効果 / 構造相転移 / 形状記憶効果 / 逆フォトクロミズム / マルテンサイト変態 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、これまで、熱によってのみコントロールされてきたマルテンサイト変態 を、光照射のみで室温でコントロール可能な光応答性分子結晶を創出し、形状記憶機能へと 展開する事である。また本研究では特に、置換基の立体的機能化に着目し、積極的に構造相転移を誘起しうる置換基 (長鎖アルキル基、分子間相互を示す置換基等)を導入しマルテンサイト変態と光応答性分子の分子構造との関係性を明らかにすると共に、マルテンサイト相に対して、力学的刺激や蒸気暴露による構造相転移を組み合わせた、多刺激応答性形状記憶効果に挑戦する。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、光応答性有機結晶材料に対して、光照射をすることで、形状記憶効果や超弾性現象の発現、コントロールすることを目指したものである。 超弾性現象を示しうる結晶を構築するために、分子設計、合成、結晶作成を行ったが、目的の現象を実現することはできなかった。しかし、結晶であるにも関わらず力学的にグネグネ曲げることが出来る結晶を見出し、その柔軟性を光照射によって可逆的にコントロールすることが出来た。これらの結果は、分子の形と結晶の柔軟性に関する新たな知見を与え、光機能有機結晶材料の新たな機能構築に向けた重要な足掛かりになる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題の研究成果では、分子の形と結晶中での分子の配置や、それらと結晶の柔軟性に関する知見を得ることが出来た。また、光による結晶の柔軟性の可逆的なスイッチング現象を新たに見出し、そのメカニズムを解析すると、紫外光によって亀裂が入り脆性化、可視光によって亀裂が回復し柔軟性を取り戻していることが分かった。これらの成果は、次世代の機能性材料開発の足がかりとなり、持続可能な材料としての応用が期待される。
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