研究課題/領域番号 |
22K14682
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
土井 良平 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (40780052)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | ニッケル触媒 / パラジウム触媒 / フッ素化合物 / エノラート / 不斉合成 / 位置選択性 / フッ素化学 / フルオロエノラート / シリルエノラート / 有機亜鉛 / ニッケル錯体 / N-ヘテロ環状カルベン / 炭素ーフッ素結合切断 / クロスカップリング反応 / シリルエノールエーテル / 炭素-フッ素結合切断 |
研究開始時の研究の概要 |
光学活性な含フッ素4級炭素が医薬品開発において注目されている。本研究では光学活性含フッ素4級炭素構築法の開発を目指す。具体的にはジフルオロシリルエノラートの位置選択的な炭素-フッ素結合変換による含フッ素エノラート合成法を開発する。炭素-フッ素結合は、炭素が形成する最も強固な結合として知られており、その結合切断は困難であるがゆえに研究の余地が大きく残されている。得られた含フッ素エノラートと求電子剤の反応により、光学活性含フッ素4級炭素化合物合成法を確立し、含フッ素医薬品開発への貢献を目指す。
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研究成果の概要 |
シリルジフルオロエノラートとNi(0)錯体の量論反応において、リチウム塩を作用させることで酸化的付加が促進されることを見出した。得られた錯体の構造は単結晶X線構造解析によって決定した。反応は完全な位置選択性で進行しており、酸素のトランス位でのみ酸化的付加が進行することを明らかにした。また、この知見をもとに触媒的な脱フッ素アリール化およびアルキル化反応の開発に着手した。その結果、Ni触媒と有機亜鉛試薬とのクロスカップリング反応の開発に成功した。Ni触媒の配位子として嵩高いIPr*を用いることが重要であり、この配位子を用いることで多置換反応を抑制することができることを見出した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
有機フッ素化合物は医薬品に頻繁に用いられており、その合成法の開発は重要な研究課題である。本研究では近年注目を集める含フッ素3級炭素の構築を目指した。具体的には、含フッ素3級炭素の原料となるシリルエノラートの新規合成法を開発した。この研究成果により、創薬に期待されるキラルフッ素化合物の合成原料を供給できるようになった。実際に合成したシリルフルオロエノラートは触媒的不斉辻・トロスト反応に活用できることを見出した。また、シリルエノラートは通常対応するケトンの脱プロトン化により合成することが一般的であるが、本研究はクロスカップリング反応による変換という新しい手法を提案するものである。
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