研究課題/領域番号 |
22K14687
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分33020:有機合成化学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
金本 和也 東北大学, 薬学研究科, 助教 (90849100)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | ジスルフィド / 多様性合成 / 脱離基 / アミノ基 / イミド基 / トリフルオロ酢酸 / アリルシラン / 芳香族求電子置換反応 / アズラクトン / ペプチド / ポリスルフィド / 求電子的チオ化 / チオ化試薬 |
研究開始時の研究の概要 |
多数の硫黄原子が連続した構造を持つポリスルフィド類は,様々な応用研究が期待されている有用な化合物群である.一方で,その合成の難しさ故にこれらの応用研究はゆっくりとしか進展してきていなかった.これに対して本研究課題では,「硫黄原子上の2つの脱離基の反応性を制御して使い分ける」という,新たなアプローチを提案する.具体的には,硫黄原子上に2つの脱離基を配置した新たなプラットフォーム分子を開発し,これに対して2つの炭素置換基を集積的に導入することで,短段階で多彩な置換基の組み合わせのポリスルフィドを合成できる基盤を整備し,幅広い分野への貢献を目指す.
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研究成果の概要 |
ジスルフィド化合物は,多彩な応用研究が期待される一方で,非対称な構造の精密合成には課題が残されていた.これに対して本研究課題では,アミノ基とイミド基の2種の脱離基を持つジスルフィドプラットフォーム試薬の開発に成功した.本試薬は,2つの脱離基を直交的に変換することができ,酸性条件ではアミノ基側で,中性や塩基性条件ではフタルイミド側で置換反応が進行した.具体的には,本プラットホーム分子に対する酸性条件でのアリルシラン,アルキニルシラン,芳香環などの導入や,中性・塩基性条件でのアミノ基やアズラクトンの導入に成功した.これらの変換の組み合わせにより,多彩なジスルフィドの多様性合成に成功した.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ジスルフィド化合物は,多彩な生物活性天然物に含まれることに加え,環状ペプチドの構築,機能性ポリマーやリチウム電池電極への利用など,様々な応用研究が期待される有用な化合物群である.その一方で,置換基導入の選択性の低さや,置換基のスクランブルなどにより,非対称なジスルフィドの精密合成は困難であった.本研究課題で開発した手法は,独自に開発したジスルフィドプラットフォーム分子の両側に多彩な置換基を選択的に導入できることから,自在な置換基の組み合わせを有する非対称ジスルフィドの短段階精密合成を可能とし,上記の応用研究を強く後押しするものと期待される.
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