研究課題/領域番号 |
22K14701
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
井上 僚 関西学院大学, 生命環境学部, 助教 (30844675)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | ポルフィリン / 白金錯体 / 円偏光燐光 / 脱水芳香族化 / 鋳型合成 / ヘテロトリプチセン / 円偏光発光 / テンプレート合成 |
研究開始時の研究の概要 |
ポルフィリン誘導体は、有機 EL ・太陽電池をはじめとする高機能材料のための重要な有機骨格であり、その合成法は長年にわたって研究されてきた。一方、複雑な非対称ポルフィリン誘導体は、機能の高次元化・複合化による革新的な材料の創出が可能であるにもかかわらず、合成・分離・精製が困難であるため、未だ研究が進んでいない。本研究では、申請者が最近開発した鍵反応 1.白金をテンプレートとした脱水的芳香環化によるワンステップ ABCD ポルフィリン合成法、続く 2. 非対称ポルフィリンキノン合成法を用い、ポルフィリノイド化合物のメソ位自在官能基化法の確立を行う。さらに革新的な光機能材料を創成する。
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研究実績の概要 |
本年度は、主として以下三点の研究で大きな進展があった。 1.白金を鋳型とすることで進行する脱水的芳香環化反応によるABCD ポルフィリン合成法に関する論文がChem. Eur. J. 2023, 29, e202301717.に掲載された。 2.我々が開発した(含ヘテロ)トリプチセン前駆体のためのカギ原料とアリールアセチレンとのCo触媒 [4+2]環化付加反応を利用した、新規ジアリールトリプチセンの合成法を開発することに成功した。得られた化合物は円偏光蛍光を示し、トリプチセンにおけるキラルスルースペース共役と物性に関する知見を得ることができた。当該論文はBull. Chem. Soc. Jpn. 2023, 96(8), 775-777 (DOI: 10.1246/bcsj.20230112) に掲載された。 3.上記 ABCDポルフィリン合成法では、ABCDヒドロキシポルフィリンが中間体として得られる。本年度はこのヒドロキシ基を触媒反応活性なOTfへと変換し、鈴木宮浦反応を用いることでABCD-ABCDポルフィリンダイマーの合成・単離に成功した。得られた化合物の一つは光学活性であり、キラルカラムによる光学分割と、単結晶X線構造解析による絶対構造の決定を行うことができた。さらに得られた光学活性な化合物は、優れた円偏光リン光特性を示すことを明らかとした。現在、当該論文の投稿を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当該研究計画通りに研究が進行していることに加えて、光学活性ABCDポルフィリンダイマーが優れた円偏光リン光特性を発現することを見出したため。
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今後の研究の推進方策 |
今後はABCDポルフィリンの合成法を基に、光学活性なABCDポルフィリンを3量体、4量体5量体へとオリゴマー化することにより、円偏光リン光特性のさらなる高効率化を試みる。
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