研究課題/領域番号 |
22K14702
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34010:無機・錯体化学関連
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
秋吉 亮平 関西学院大学, 理学部, 助教 (00907537)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
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キーワード | 配位高分子 / 半導体 / 磁気物性 / 半導体特性 / 磁気特性 / マテリアルズインフォマティクス / ハイスループット合成 / スピントロニクス |
研究開始時の研究の概要 |
近年、硫黄などの重カルコゲン元素を配位原子とする含硫黄配位高分子が半導体特性や優れたキャリア輸送特性を示すことから、光触媒や電子デバイス等への応用を見据えて活発に研究が行われている。しかし、これまでの含硫黄配位高分子は“電荷”の特性に主眼が置かれ、“スピン”の特性は十分に活かされていない。本研究では、申請者が既に合成に成功している含硫黄配位高分子を足掛かりにし、マテリアルズインフォマティクス(MI)を駆使して、スピンを組み込んだ含硫黄配位高分子を開発する。更に、スピントロニクス材料への応用を指向して、それらの磁気物性を評価すると共に、MIを駆使して合成条件-構造-物性の相関を解明する。
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研究成果の概要 |
含硫黄配位高分子は、その優れたキャリア移動特性のため光触媒や各種電子デバイスとしての応用が期待される一方で、磁気的性質である“スピン”の特性は十分には活かされていない。本研究課題では、マテリアルズインフォマティクスに基づく手法を活用することで、マンガン二価イオンおよびコバルト二価イオンから成る新規含硫黄配位高分子の合成および結晶化に成功した。各種物性評価の結果、一連の化合物は金属-硫黄結合に基づく半導体特性と金属中心に基づく磁気特性の両方の性質を示すことが明らかになった。本研究を通じて得られた知見は、配位高分子を物質基盤とする全く新しいスピントロニクス材料の開発に繋がると期待される。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
スピントロニクスは、元来電子が持つ「電荷」と「スピン」の両方を利用する研究領域であり、従来までの「電荷」の性質のみを利用するエレクトロニクスに代わる新しい技術として注目を集める。一方で、電荷の性質とスピンの性質が共存・相関したスピントロニクス材料の報告は限定的であり、更なる材料探索・開発が求められる。本研究を通じて得られた知見は、配位高分子を物質基盤としたスピントロニクス材料の開発に向けた新しい設計指針を与え、錯体化学領域から材料科学領域に至るまで極めて大きなインパクトを与えると期待される。
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