研究課題/領域番号 |
22K14704
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
中室 貴幸 東京大学, 総括プロジェクト機構, 特任准教授 (30831276)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2022年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | electron microscopy / peptide / single-molecule / self-assembly / atomic-resolution / ペプチド / 透過電子顕微鏡 / 原子分解能 / 構造解析 / 時間発展 / 自己集合 / 単分子 |
研究開始時の研究の概要 |
ペプチド凝集挙動の解明は,物理的性質を理解するだけに留まらず創薬設計指針の獲得など基礎から応用研究まで重要とされる.ペプチドは数kDa程度の有機中分子であり,NMRやX線結晶構造解析が分析ツールとして重用されるが,本質的に混合物である凝集体を解析する目的には適さない.一方,単分子観察法としての原子間力顕微鏡(AFM)では,水平方向への分解能の制限により解析することがしばしば困難となる.広く自己組織化現象に対しての知識を進歩させる,新たなイメージング法としてSMART-EMの深化を目指す研究である.
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研究成果の概要 |
単分子原子分解能時間分解電子顕微鏡法(SMART-EM)の開発を進め,メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)の治療薬であるダプトマイシンの単分子イメージングならびにカルシウム依存的な自己集合過程を詳細に解析した.また,N-アルキルペプチド(ペプトイド)のイメージングへと応用し,その剛直な構造が真空下で保持されることを発見した.この技術は他の柔軟な分子ならびに他の自己集合性ペプチドのイメージングにも展開可能であることがわかった.本研究で開発した透過電子顕微鏡を用いた方法論は,単分子観察に基づく構造特性評価法としての展望を拓くと期待できる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
自己集合現象は広範な科学分野での重要な研究テーマであり,本研究ではペプチド凝集挙動に着目した研究を進めた.ペプチド凝集挙動の解明は,物理的性質を理解するだけに留まらず機能性マテリアルへの合成応用など基礎から応用研究まで重要とされる.原子分解能イメージング法の開発によって単分子から凝集体に対する精緻な構造情報の取得が可能となった.本手法は,分子の剛直性や結合様式の理解を深めるだけでなく,得られた知見を創薬研究へ応用する道を拓くと期待される.
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