研究課題/領域番号 |
22K14707
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
菅野 佑介 東京工業大学, 科学技術創成研究院, 助教 (30922330)
|
研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
|
キーワード | 電気化学計測 / 微小電極 / 電気二重層 / バイオセンサ / マイクロ流体デバイス |
研究開始時の研究の概要 |
血液などの体液をもとに検査するがん診断法・リキッドバイオプシーが近年脚光を浴びている。身体への負担が小さく、さらにはがんの早期発見が期待される次世代診断法である。検査ツールの候補として、利便性に優れた電気化学センサが提案されているが、検査対象の細胞外小胞などは体液中に極微量しか存在せず検出の超高感度化が喫緊の課題である。そこで本研究では、極微小な閉鎖空間を利用して物質を高濃度化し、超高感度化まで至る新構造の電気化学センサの開発を目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究では、極微小空間へ閉じ込めることのできる、新構造の電気化学センサの開発を目指している。アプローチとしては、電気化学測定に必要な電極(作用極、対極、分子認識用の電極)を微小サイズで薄膜積層して、三次元的に複合化する。これにより、従来の課題であった電極の占有面積を抑える。そして最終目標は、開発したセンサにおける電気化学現象を解明の上、物質濃縮を利用した細胞外小胞の超高感度検出としている。本研究は、①ポリジメチルシロキサン(PDMS)製のマイクロ流路内への極微小空間の形成、②三次元的に複合構築されたセンサの作製という、独立した2つの初期フェーズからなる。そして①②の完了後は、③電気化学センサの応答性の検証および電気化学現象の解明、④細胞外小胞の検出という、中間・最終フェーズへと移る計画になっている。 2022年度は、①についてPDMS製マイクロ流路の作製、マイクロ流路の構造解析、極微小空間の形成に必要な温度応答性ポリマーの準備、マイクロ流体デバイスの温度制御システムの構築を実施した。②については、電極を薄膜積層するためのフォトリソグラフィ、金属成膜の条件の洗い出しを実施した。電極への分子認識素子の結合については、電極の表面分析によって結合を確認できたが、現在はその再現性確保に難航しており、引き続き条件検討を進めている。③については先行して、電気化学測定システムを構築していつでも実施できる体制とした。①②ともに、計画よりも遅れた進捗ではあるが、基盤技術が整いつつあり早期の完了を目指していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究の初期フェーズついて、①では極微小空間の形成技術が整い、②では分子認識素子の電極への結合を除いて電極形成技術が整ったが、ともに完了まで至っていないため、やや遅れていると考える。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、分子認識素子を電極へ再現性良く結合させる条件を検討しており、完了後、目標とする三次元的な複合電極の作製へと移る。その後、電気化学センサとしての基本動作を確認の上、マイクロ流路内の極微小空間へ複合電極を組み込む。さらに、支持電解質濃度を振るなどして極微小空間での電気化学現象を明らかにした後は、最終フェーズとして、リキッドバイオプシーに関わる細胞外小胞の検出に挑戦する。
|