研究課題/領域番号 |
22K14739
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分35020:高分子材料関連
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研究機関 | 国立研究開発法人物質・材料研究機構 |
研究代表者 |
松本 道生 国立研究開発法人物質・材料研究機構, 国際ナノアーキテクトニクス研究拠点, 独立研究者 (90843110)
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研究期間 (年度) |
2022-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 多次元高分子 / イオン性物質 / 合成高分子 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、イオン性の置換基を主骨格に導入した2次元ポリマーの段階的なボトムアップ合成法を新たに開拓し、自在にイオン種を空間配置できる物質合成法を確立する。得られる多孔性積層固体、もしくはそこから剥離されたシート物質の物性開拓を目指す。イオン性部位の空間配置の違いや間隔、アニオン種の違いなどのイオンに関連する化学構造の違いによって、2次元ポリマーの物性がどのように変化するかを精査する。こうして得られた知見を最大限に活用し、天然無機イオン性固体とは一線を画す、新奇物性をもったイオン性材料群の創成を目指す。
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研究実績の概要 |
本研究はイオン性の置換基を主骨格に導入した共役2次元ポリマーの段階的なボトムアップ合成法を新たに確立し、自在にイオン種を空間配置できる物質合成法の確立を目指している。特に、種々の置換基を自在に結晶性多次元ポリマーに導入することができる共有結合性有機構造体(Covalent Organic Frameworks, COFs)を利用し、イオン性置換基を自在に構造内に導入することで、COFの物性変化を検証し、その学理を明らかにする。一年目の22年度ははイオン性部位を導入することのできるヘテロ原子を含む構造体の検証をした。用いるモノマーの分子構造や種々の反応条件を検討することで、実際に窒素、硫黄、シリコンを含む共役2次元COFsを合成に成功した。得られたCOFsの構造解析にはFT-IR、固体NMR、粉末X線構造解析、ガス吸着、可視紫外分光測定を組み合わせて利用し、定量的かつ多角的に評価を行なった。また得られたCOFs構造内のヘテロ原子をターゲットとしたポスト合成的なイオン化修飾法についても、反応に用いる試薬、溶媒、濃度、温度等の反応条件を網羅的に評価し、これまでにイオン性置換基を含んだCOFについて報告例のない構造の合成にも成功した。関連する研究に関して総説論文を発表した。次年度はイオン化の反応条件をより詳細に検証するとともに、得られたCOFs材料の物性が、導入するイオン構造の種類、イオン化反応の進行度に応じていかに変化するかについてより広範に検討を行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画どおりに窒素、硫黄を含んだCOFsの合成に成功しそのイオン化を検証できたとともに、計画に含まれていなかったシリコン元素を含むものに関してもその検証を行うことができた。これらのCOFs群はイオン化を行うのに適しており、一年目の進展としては著しいものであった。
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今後の研究の推進方策 |
一年目に引き続き、FT-IR、固体NMR、粉末X線構造解析、ガス吸着、可視紫外分光測定を組み合わせて利用し、定量的かつ多角的にCOFsの構造評価を行い、イオン化の反応条件をより詳細に検証する。また得られたCOFs材料の物性がイオン化の具合に応じていかに変化するかについてもより詳しく検討を行っていく。
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